スーパー業界の売却について解説!メリットやM&A事例なども紹介

投稿日:2022/08/27

更新日:2022/09/26

スーパー業界は、事業領域の拡大などを目的として買収する事例が数多く見られており、売却・買収が活発に行われている業界です。

加えて、異なる業界の大手企業が、スーパー業界への新規参入を図るために買収を行う事例も増えています。

そのような状態から、スーパーの買収を希望する企業が数多く存在しており、売却を希望するスーパーの存在が求められている業界といえるでしょう。

この記事では、スーパー業界の現状・売却するメリット・高値で売却する方法・売却の事例などを紹介していきます。

目次

スーパーの売却について

スーパーとは、食品や衣料品など日用品の販売を行っている小売店です。

スーパーの形態は、食用品の販売のみを行っている食品スーパーや、種類を問わずさまざまな商品の販売を行っている大型スーパーなどさまざまな種類があります。

スーパーは店舗数が多く顧客の日常に欠かせない存在であることから、市場環境など多くの要因に影響を受けやすい業界であるといえるでしょう。

最低賃金や消費税の引き上げ、電子決済の普及などによって環境が大きく変動するため、それらに対応していくことが重要です。

ここからは、スーパーの売却について解説していきます。

大手企業スーパーによる買収事例が増えている

事業の買収は、事業領域の拡大などをスムーズに行えることから、競争力を高めるために有効な手段です。

大手スーパーなどは買収による経営規模の拡大を積極的に行っており、業界で大きな勢力をつけています。

中小規模のスーパーは、自社を大手企業に売却することで傘下に加わり、収益を伸ばしている傾向があります。

また、スーパーは地域に根ざした経営を行っていることが多いため、買収によって顧客の獲得を図るケースも多く、今後も買収・売却事例は増え続けていくでしょう。

異業種からの参入も増えている

スーパー業界では、異業種によるスーパーの買収事例も多く見られています。

このような事例は、コンビニやディスカウントショップといった小売業を営んでいる企業が、新規参入を図るために行っている傾向があります。

買収を希望する小売企業が多い理由は、購買データや店舗運営のノウハウが共有できるため、シナジーが生み出しやすいからといえるでしょう。

また、近年では大手ECサイトがスーパーを買収する事例も見られました。

多くの企業がスーパー業界への参入を図っており、売却を希望する企業の需要は高まっていくでしょう。

スーパー業界の現状

スーパー業界はコロナ禍によって売上を伸ばしており、需要が高まることが予測できる業界です。

また、近年ではプライベートブランドの普及が重要視されている傾向があります。

ここからは、スーパー業界の現状について解説していきます。

コロナ禍でスーパー業界の売上は増加

2000年以降、スーパー業界は販売額が大きく増加するような傾向は見られていませんでした。

しかし、2020年には、前年を約1.7兆円上回る14.8兆円の販売額を記録しています。

これは、新型コロナウイルスの感染拡大が影響していると考えられます。

感染防止のために外出をする機会が大きく減少し、自宅で食事を行うケースが増えていることが要因となり、売上が向上したといえるでしょう。

2021年には前年を約2000億円上回る15.0兆円の販売額を上げており、コロナ禍が市場規模拡大の追い風となっています。

また、コロナ禍によってテレワークが普及したことから、感染が落ち着いた後も一定の利益を上げ続けることが予測できます。

スーパー業界は、コロナ禍によって業績を大きく伸ばした業界であるといえるでしょう。

プライベートブランドの展開が競争力強化のカギ

大手のスーパーは、プライベートブランドの強化に力を入れている傾向があります。

プライベートブランドとは、商品の開発を行っていない小売店などの企業が、独自のブランドを立ち上げて販売を行っている商品です。

プライベートブランドの商品は、代理店などを通さず直接販売できることから、仕入れ値を下げて商品を販売することができます。

そのため、消費者側は商品を安く購入することが可能となり、販売店側と顧客側の双方にメリットがあります。

加えて、デザインなどで商品に個性を出すことができるため、自社のブランド力を向上させられることから、他社との差別化を図りやすい要素であるといえるでしょう。

プライベートブランドにはさまざまなメリットがあることから、大手のスーパーではプライベートブランドの開発競争が激化しています。

人材不足の解消も求められている

スーパー業界を含む小売業界では、慢性的な人手不足が続いています。

人材が不足している理由としては、アルバイトなどの非正規雇用が多いことから、従業員が定着しにくいことが考えられます。

少人数で回していることが多いため、人間関係などに問題が生じた場合に対応が行いにくいといったことも関係しているでしょう。

加えて、小売業界は他業界と比較すると年間の平均休日が少ない傾向があり、労働時間が長く休みを取りにくいことも影響しています。

そのような環境から、小売業界では人手不足を解消するための対策が求められています。

従業員の定着を図るためには、マニュアルの作成などを行い、より働きやすい環境を作ることが重要といえるでしょう。

コミュニケーションを取りやすい環境を作ることも、離職を回避する一つの手段です。

また、業界全体としては、IT技術の活用による業務の効率化による人員削減も進めていく必要があります。

さまざまな方法により、人材不足を解消してくことが小売業界の課題といえるでしょう。

スーパーを売却するメリット

スーパーを売却することには、主に以下のようなメリットがあります。

【スーパーを売却するメリット】

  • 1.従業員の雇用を維持できる
  • 2.スケールメリットによるコスト低下を図れる
  • 3.プライベートブランドを取り扱える
  • 4.教育体制を向上できる

1.従業員の雇用を維持できる

経営者が高齢になった際には、経営を維持するために新たな後継者を見つける必要があります。

しかし、周囲に経営を引き継げる相手がいなければ、経営を続けることができません。

経営を行えず廃業してしまった場合、従業員は新たな働き口を見つける必要があります。

加えて、近隣住民などは近隣のスーパーを失ってしまうことに対して不便に思うこともあるでしょう。

後継者がいない場合は、事業を第三者へ売却することでスーパーの運営を継続することが可能です。

近年では、後継者がいないことによって事業売却を行う中小企業も増えています。

2.スケールメリットによるコスト低下を図れる

買い手側もスーパーの経営を行っていた場合は、スケールメリットによる仕入れコストの低下を図ることが可能です。

スケールメリットとは、大量生産や大量仕入れなどによって、仕入れ値の削減といった恩恵を受けられることをいいます。

買い手・売り手が共同で商品を仕入れることができれば、スケールメリットによって仕入れ値を下げられるため、収益を拡大することができるでしょう。

3.プライベートブランドを取り扱える

大手のスーパーは、プライベートブランドの取り扱いによって業績を大きく伸ばしています。

プライベートブランドは商品の質があまり高くない傾向がありましたが、近年では企業努力によってクオリティが向上し続けています。

プライベートブランドの有無は業績を大きく変える要因になるため、競争力を高めるために重要なポイントです。

事業の売却によって大手スーパーの傘下に加われば、より質の高いプライベートブランドの商品を取り扱うことができるでしょう。

競合との差別化を図りたい場合は、大手への事業売却が有効です。

4.教育体制を向上できる

中小規模のスーパーの場合は、教育を行うための環境が整備されていないこともあるでしょう。

教育体制の改善は、従業員の定着を図るために有効な施策です。

業界規模の大きいスーパーであれば、教育に対するマニュアルが適切に整備されている可能性が高いため、教育体制の改善を図ることが可能です。

スーパーの買収は買い手にもメリットがある

スーパーを買収することには、買い手側にとってもさまざまなメリットがあります。

買い手企業との交渉時に適切なアピールをするためにも、どのようなメリットがあるのかを把握しておきましょう。

ここからは、スーパーを買収するメリットを4つ紹介していきます。

【スーパーを買収するメリット】

  • 1.経営資源が拡充できる
  • 2.新規事業の参入コストを抑えられる
  • 3.売り手と同様にスケールメリットを得られる
  • 4.事業領域を拡大できる

1.経営資源が拡充できる

スーパーの運営を行うためには、顧客や従業員、テナントなどの経営資源が必要です。

しかし、経営資源を自身の力のみで獲得するためには多大な時間を要します。

環境の変化が激しいスーパー業界では、経営資源の拡充を素早く行い収益を向上させることが重要であるといえるでしょう。

既存のスーパーを買収することは、経営資源を素早く獲得するために有効な手段です。

売り手側が所有している経営資源を活用すれば、買い手企業はさらなる利益の向上を図れるでしょう。

2.新規事業の参入コストを抑えられる

新たに事業を立ち上げる場合、ノウハウの構築や仕入先の確保などが必要になります。

スーパー業界へ新規参入をしようと考えていても、そのような要因から素早く参入をすることは容易では無いでしょう。

スーパー業界に素早く参入したい場合は、既存企業を買収するという方法もあります。

スーパーを運営している企業を買収すれば、売り手側が所有している資源をそのまま使用することができます。

参入時のコストも抑えられるため、異業種を営んでいる企業にとって買収は有効な手段です。

3.売り手と同様にスケールメリットを得られる

売り手企業と同じく、買収することによって買い手企業はスケールメリットを得ることができます。

大手の企業は多くのスーパーを所有していることから、中小規模のスーパーよりもスケールメリットも恩恵は大きいと考えられます。

また、売り手側も多くのスーパーを運営していた場合は、買い手企業に自社をアピールする際の要因になるでしょう。

4.事業領域を拡大できる

新たな地域でスーパーを経営する場合、テナントの確保などに多くの時間を要します。

その立地に建設した際に見込める収益も予測する必要があるため、事業領域の拡大は容易に行うことができません。

事業領域を素早く拡大したい際には、地域に根ざしたスーパーを買収することは効率的な手段です。

既存の施設を利用することができるため、特定エリアでスムーズに経営を始めることができます。

近隣住民が頻繁に利用していたスーパーであれば、確保できる顧客の数も推測することができるでしょう。

スーパーを高値で売却する方法

スーパーを高値で売却したいと考えている場合は、どのような対策を行えば良いのでしょうか?

ここからは、スーパーを高値で売却する方法について解説していきます。

【スーパーを高値で売却する方法】

  • 1.従業員との信頼関係を構築しておく
  • 2.近隣住民から良い評判を集めている
  • 3.独自の強みを把握する
  • 4.適切なタイミングで売却する
  • 5.教育体制が整っている
  • 6.自社の経営状況を把握できている
  • 7.仲介会社などにサポートを依頼する

1.従業員との信頼関係を構築しておく

人材不足が問題視されている小売業界では、従業員の数や質も売却価格の算定に影響することも考えられます。

スーパーを売却する際に従業員が離職する可能性が高い場合は、買収価格を低く見積もられてしまう恐れがあります。

売却による従業員の離職を回避するためには、日常的にコミュニケーションを取っておくことも大切です。

従業員同士で信頼関係が築けている企業であれば、経営統合作業も実施しやすいという印象を持たれるため、取引がスムーズに進めることができるでしょう。

また、買収による従業員の離職は、買い手企業にとっても避けたいリスクです。

買い手企業と交渉する際は、買収後の従業員の対応について入念に話し合っておくことも、離職を回避する一つの方法です。

統合後に待遇が改善されるのであれば、離職を希望する従業員が現れる可能性も抑えられるでしょう。

2.近隣住民から良い評判を集めている

スーパーを利用する顧客の数は、売上に直結する大きな要因です。

近隣住民から良い評判を集めているスーパーであれば、顧客を安定して確保できるという証拠にもなるため、売却価格が高くても買収を希望する企業が現れやすくなるでしょう。

近隣住民からの評判を向上させるためにも、顧客への対応方法などは常に改善していくことが大切です。

また、地元企業の商品を取り扱っていることも、地域に根ざしているという証明になるため、売却価格を高くする一つの要因です。

近隣からの評判を高めて地域に根ざすような取り組みを行い、買い手から魅力的に見えるスーパーを目指して行きましょう。

3.独自の強みを把握する

そのスーパー独自の強みを持っていることは、買い手企業にアピールする際に重要なポイントです。

買い手側に自社を適切にアピールできれば、売却できる可能性が高まる上に、相場以上の価格で売却できることもあるでしょう。

独自の強みを把握するためにも、自社の分析を入念に行い、他のスーパーと異なる要素を見つけることが大切です。

例として、駐車場が広く車で訪れやすいといった要素もアピールポイントの一つです。

取り扱っている商品の多さや店舗の数なども、他社と差別化できる要素であるといえるでしょう。

他のスーパーよりも勝っている要素を見つけ出し、買い手に買収メリットを伝えることは、買収価格を高めるための有効な手段です。

4.適切なタイミングで売却する

スーパーを高く売却したいと考えている場合は、売却するタイミングにも注意しておきましょう。

市場環境の変化によっては、スーパーの買収ニーズが低下することも考えられます。

買い手が少ない時期に売却をしてしまうと、一時期の相場よりも安く買われてしまうかもしれません。

また、売却価格を決定する基準の中には、企業の将来性や純資産も含まれています。

充分な利益を挙げられていないタイミングで売却すると、それに準じた価格で買い手へ譲渡することになるでしょう。

より高く売却をしたい際には、経営状態が良好なタイミングで売却することをおすすめします。

利益が出ている状態であれば、買収を希望する企業が現れやすくなるといったメリットもあります。

5.教育体制が整っている

教育体制の充実具合も、売却価格を向上させる要素の一つです。

充分なマニュアルが構築されていない場合、買い手企業は従業員の教育体制の整備から始めることになります。

従業員の教育を行うためには多くの時間を要するため、買い手企業側の負担が増えることになるでしょう。

売り手企業の教育体制がきちんと構築されていれば、買い手企業は統合作業の時間を抑えることができます。

マニュアルの構築は新入社員の離職を防ぐ要素にもなるため、早期のうちから教育基盤を整えて、企業の価値を高めておきましょう。

6.自社の経営状況を把握できている

中小規模の企業は、月間の利益といった予算の管理が充分に行われていないケースがあります。

予算の管理が不十分だった場合、将来的に見込まれる利益などが予測できないため、想定していた売却価格を得ることができないこともあるでしょう。

自社の売却を検討する際は、経営状況を適切に把握しておくことが大切です。

経営状況をまとめた資料などがあれば、買い手企業側も買収を行いやすくなるでしょう。

7.仲介会社などにサポートを依頼する

スーパーを売却するためには、企業価値の算定や買い手企業との交渉を行う必要があります。

企業価値を安く算定してしまった場合、相場以下の価格で売却をすることになるでしょう。

反対に高く見積もってしまうと、買収を希望する企業が現れにくくなります。

買収を希望する企業が見つかった場合でも、交渉がスムーズに進まないことによって取引が破談になるといったことも考えられます。

そのようなリスクを回避するためにも、スーパーを売却する際には、M&A仲介会社といった専門家にサポートを依頼しましょう。

また、サポートを行っている機関は、仲介会社以外にも金融機関やM&Aプラットフォームなどが挙げられます。

それぞれの特徴を把握して、適切な期間にサポートを依頼しましょう。

スーパーの売却をサポートしている機関

スーパーの売却のサポートを行っている機関は、主に「M&Aプラットフォーム」「金融機関」「仲介会社」が挙げられます。

ここからは、売却のサポートを行っている機関の特徴について個別に解説していきます。

機関メリットデメリット
M&Aプラットフォーム・豊富なリストから買い手企業を自分で探せる
・発生する手数料が抑えめ
・企業の紹介のみしか対応していないことがある
・行っているサービスの規模がプラットフォー厶によって異なる
金融機関・地元の企業を見つけやすい
・金銭面のサポートに対して豊富な知識を有している
・特定エリアの企業しか紹介していないケースがある
・他の期間よりも手数料が高め
M&A仲介会社・事業売却に対する全面的なサポートを行っている
・買い手企業と売り手企業の中立の立場からサポートを行っているため交渉時に不利になりにくい
・料金体系が仲介会社によって大きく異る
・中立の立場であるため交渉によって有利に進めにくい

M&Aプラットフォーム

M&Aプラットフォームとは、インターネット上にて売り手企業・買い手企業の掲載を行い、マッチングを行う場を提供しているサイトです。

基本的には企業同士のマッチングのみをサポートしていますが、一部ではアドバイザーの紹介といったサービスを展開していることもあります。

プラットフォームは、売却をサポートしている他の機関と比較すると、手数料が安い傾向にあるといった長所があります。

費用を抑えて売却を行いたい場合には、プラットフォームの利用を検討しても良いでしょう。

注意点として、プラットフォームが行っているサービスの領域には制限が設けられていることもあります。

サポートの充実度も幅があるため、プラットフォームを利用する際はサービス内容について確認しておくことが大切です。

金融機関

銀行などの金融機関は、事業の売却に対してサポートを行っているケースもあります。

自社と付き合いがある金融機関がある場合は、売却のサポートを行っているか確認してもよいでしょう。

金融機関はさまざまな企業と繋がりを持っているため、買収を希望する企業を紹介してもらえるかもしれません。

ただし、地元の金融機関の場合は繋がりを有している企業の範囲に限りがあるため、異なるエリアから買い手企業を探すことができないこともあります。

売却のサポートを行っている他の機関よりも手数料が高い傾向があるので、財政面などを考慮した上で依頼しましょう。

M&A仲介会社

M&A仲介会社とは、企業の売却・買収に対して全般的なサポートを行っている企業です。

買収を希望する企業と繋がりを有しており、買い手企業の紹介も依頼することができます。

自社を売却する際には、書類の作成や買い手企業との交渉など、やらなくては行けない業務が多数存在します。

M&A仲介会社は、売却時に必要な作業に対して全般的なサポートを行っているため、事業の売却をはじめて行う方におすすめな機関です。

買い手と売り手を中立的な立場からサポートするという特徴から、交渉によって不利な条件になりにくいというメリットもあります。

ただし、サポートを依頼する際の手数料体系は、仲介会社によって大きく差があります。

相談料や月額料金を設けている仲介会社もあるので、依頼時には確認しておきましょう。


また、ACコンサルティングでは、企業の売却を完全成果報酬型でサポートを行っています。

売却の相談にも無料で対応しているので、お気軽にお問い合わせください。

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スーパーの売却相場

スーパーの売却価格は、保有している純資産や年間の利益などを考慮した上で決定します。

それらはスーパーの規模によって大きく異なるため、相場となる価格を求めることは困難です。

自社の売却価格を知りたい場合は、仲介会社などの専門家に企業価値の評価を依頼しましょう。

また、個人で目安となる金額を把握した場合には、自社と同じような規模のスーパーの取引事例を参考するという方法もあります。

自社が上場している際には、株価を参考にして目安金額を求めてもよいでしょう。

スーパーを売却する際の注意点

スーパーを売却する際には、以下の点に注意しておきましょう。

買収リスクの有無を把握しておこう

自社を売却する際には、買い手企業によってデューデリジェンスという企業の内部監査が実施されます。

デューデリジェンスでは、売り手企業が簿外債務や訴訟のリスクを抱えていないかなどを調査します。

買収することに対するリスクがあった場合は、売却価格が下がることもあるため注意しましょう。

また、あまりにも買収リスクが大きかった際には、取引自体が中止になるといったこともあります。

デューデリジェンスによってリスクが見つかると買い手企業からの印象も悪くなるため、あらかじめ買収することに対するリスクを抱えていないか確認しておきましょう。

達成したい目標を明確にしておこう

スーパーの売却を行う際には、売却によって達成したい目標を明確にしておきましょう。

目標が明確では無かった場合、買い手との交渉時に譲歩しすぎてしまい、想定していた利益を獲得できなかったという自体になりかねません。

交渉時において一定の譲歩は必要なことですが、譲らないポイントを決めておくことは、より良い結果を得るために必要な要素です。

売却によって叶えたいことを明確に考えておき、それを達成するように交渉を進めていきましょう。

スーパーのM&Aによる売却事例

スーパー業界には、数多くの買収・売却事例が存在しています。

スーパーの売却に対する知識を深めるためにも、それらを確認しておくことは大切です。

ここからは、スーパー業界の売却・買収事例を5つ紹介します。

【スーパーの売却・買収事例】

  • 1.ローソンによる成城石井の子会社化
  • 2.三越伊勢丹ホールディングスによるエムアイフードスタイルの子会社化
  • 3.クスリのアオキホールディングスによるフクヤの子会社化
  • 4.G-7ホールディングスによる99イチバの子会社化
  • 5.クリエイトSDホールディングスによる百合ヶ丘産業の子会社化

1.ローソンによる成城石井の子会社化

2014年、大手コンビニエンスストアチェーンである株式会社ローソンは、株式会社成城石井の株式を取得し子会社化することを発表しました。

成城石井は、関東圏を中心に100店舗以上を運営している高級スーパーです。

ローソンは成城石井が持つブランド力を維持しつつ、自社が持っているノウハウなどを提供し、競争力の向上を図りました。

該当企業の取得価額は約364億円です。

2.三越伊勢丹ホールディングスによるエムアイフードスタイルの子会社化

2022年、百貨店の持株会社である株式会社三越伊勢丹ホールディングスは、株式会社エムアイフードスタイルの株式を再度取得し子会社化することを発表しました。

エムアイフードスタイルは、高級スーパーであるクイーンズ伊勢丹を運営している企業です。

2018年に三越伊勢丹ホールディングスは事業再生計画としてエムアイフードスタイルの株式を一部譲渡していましたが、事業再生に目処が立ったことで株式の再度取得を行いました。

該当企業の取得価額は非公開です。

3.クスリのアオキホールディングスによるフクヤの子会社化

2020年、医薬品や日用品などの小売事業を手掛けているクスリのアオキホールディングスは、株式会社フクヤの株式を取得し子会社化することを発表しました。

フクヤは、京都府を中心に食品スーパーを展開している企業です。

クスリのアオキホールディングスは、子会社化によって食品の品揃えを強化し、地域に馴染んだ店舗の経営を図りました。

該当企業の取得価額は非公開です。

4.G-7ホールディングスによる99イチバの子会社化

2020年、車関係事業や業務用スーパー事業などを手掛けている株式会社G-7ホールディングスは、株式会社99イチバの株式を取得し子会社化することを発表しました。

99イチバは、ミニスーパーであるminiピアゴなどを東京・神奈川で運営している企業です。

G-7ホールディングスは、子会社化によって首都圏での店舗拡大を図りました。

該当企業の取得価額は合計で12億6500万円です。

5.クリエイトSDホールディングスによる百合ヶ丘産業の子会社化

2020年、関東圏を中心にドラックストア事業などを展開している株式会社クリエイトSDホールディングスは、百合ヶ丘産業株式会社の全株式を取得し子会社化することを発表しました。

百合ヶ丘産業は、神奈川県川崎市麻生区・多摩区内で食品スーパーである「ゆりストア」を展開している企業です。

クリエイトSDホールディングスは、子会社化によって調剤薬局と食品スーパーとの複合出店及び、食品の取扱いに関するノウハウを共有することによるシナジーの発揮を図りました。

該当企業の取得価額は非公開です。

まとめ

スーパー業界は、コロナ禍によって業績を大きく伸ばした業界です。

近年では異業種による買収事例も増えてきており、今後も買収・売却が頻繁に行われる可能性が高いでしょう。

スーパーの売却は実施する手続きが多いため「M&Aプラットフォーム」「金融機関」「仲介会社」などの機関にサポートを依頼することをオススメします。

また、スーパーを高値で売却したい際には、以下のポイントを抑えておきましょう。

  • 1.従業員との信頼関係を構築しておく
  • 2.近隣住民から良い評判を集めている
  • 3.独自の強みを把握する
  • 4.適切なタイミングで売却する
  • 5.教育体制が整っている
  • 6.自社の経営状況を把握できている
  • 7.仲介会社などにサポートを依頼する

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