投稿日:2022/06/08
更新日:2022/10/24
近年、企業戦略として需要が高まり続けているのがM&Aです。
買い手企業は「新規事業への参入をスムーズに行える」「新たな技術を自社に取り込める」などの利点があります。
売り手企業も「後継者を育成する時間がかからない」「一定の利益を得られる」といったメリットがあるため、M&Aを行う企業は増え続けています。
では、M&Aのマッチング相手はどのように見つければよいのでしょうか?
その方法の一つとして挙げられるのが、M&Aマッチングプラットフォームです。
M&Aマッチングプラットフォームには、効率よくマッチング相手を探せるといったメリットがありますが、一定以上の知識が求められるなどのデメリットもあります。
この記事では、M&Aマッチングプラットフォームを利用するメリット・デメリットを紹介します。
目次
M&Aマッチングプラットフォームとは、売り手と買い手が企業情報を登録することで、企業同士がマッチングできるサービスのことです。
M&Aマッチングプラットフォームが誕生する前は、金融機関や仲介会社などがM&Aの支援を行っていました。
どちらもサポート体制には信頼がありますが、情報量には限りがあり必要コストも高くなるため、中小企業がM&Aを行うのは簡単ではありませんでした。
そのような状況を改善するために誕生したのがM&Aマッチングプラットフォームです。
M&Aマッチングプラットフォームには、利用にかかるコストが金融機関などと比較すると安価であるという利点があるため、中小企業がM&Aを行うハードルの高さは以前より改善されました。
M&Aマッチングプラットフォームを利用することは、どういった利点があるのでしょうか。
ここでは、M&Aマッチングプラットフォームを利用するメリットを紹介します。
M&Aマッチングプラットフォームでは、多くの企業情報を得ることが可能です。
M&Aのマッチング企業を見つける際、仲介会社や金融機関では紹介できる企業の数にも限りがあるため、多くの情報を集めるのは困難です。
しかし、M&Aマッチングプラットフォームには多数の企業情報が掲載されているため、希望条件に近い企業を選定して見つけることができます。
企業の情報がすべて記載されているわけではありませんが、マッチング候補の企業を複数検討できるという強みがあります。
M&Aマッチングプラットフォームには多くの企業情報が掲載されているため、効率的にマッチング相手を探すことができます。
買い手によって希望する業種や予算は異なるため、自力で条件にあう企業を見つけるのは困難といえるでしょう。
プラットフォームを利用すれば、求めている条件を絞って探すことができるため、短期間で効率的にマッチングを実現することが可能です。
また、仲介会社などを挟まずに直接相手企業と話を進められるので、交渉にかかる時間も抑えられます。
仲介会社や金融機関に依頼する際は、相手企業を探す着手金を先に払うケースがあります。
依頼を行ったにも関わらず、希望に合う相手企業が見つからなかった場合は着手金が無駄になってしまいます。
M&Aマッチングプラットフォームは成果報酬型を採用しているケースがあるため、相手企業を探すためにかかるコストを抑えることが可能です。
月額がかからないプランを採用しているサイトも多いため、コストを抑えて長期的にマッチング相手を探すこともできます。
資金があまりかけられない企業でもM&Aを行えるため、小規模な案件でも相手を見つけやすいでしょう。
M&Aマッチングプラットフォームでは、スタッフによるサポートを受けられることもあります。
M&Aを始めて行うというケースが多い売り手企業にとって、知識が豊富なスタッフから支援を受けられるのは大きな利点です。
ほとんどの場合、ある程度の内容であれば電話などで相談ができるため、不明な内容を気軽に確認することができます。
M&Aを検討している段階でも、相談という形で話をしてみても良いでしょう。
M&Aマッチングプラットフォームは、売り手企業と買い手企業で直接やり取りをすることが可能です。
仲介会社などを利用する場合は、間に第三者が挟まるため、担当の手腕によってM&Aの結果が変わってくるでしょう。
マッチング相手と直接やり取りを行うことで、相手企業へ自社の強みを的確にアピールをすることができます。
一部のM&Aマッチングプラットフォームではチャット機能などが搭載されているため、交渉しやすい環境が整っているのも魅力的です。
M&Aマッチングプラットフォームを利用することで、コストを抑えられるなど様々なメリットを得ることができます。
しかし、利用するにあたって生じるデメリットもあります。
ここでは、M&Aマッチングプラットフォームを利用するデメリットを紹介します。
M&Aマッチングプラットフォームに提供した情報は、不特定多数の企業が閲覧することが可能です。
売り手企業がM&Aを行おうとしていることが広まってしまうと、従業員や取引先に不信感を与えてしまうリスクがあります。
基本的に、売り手企業が情報を掲載する際は「ノンネームシート」という企業の概要情報のみをまとめたものを載せます。
ほとんどの場合、ノンネームシートは会員以外閲覧できない上に、企業の名前は書かれていないため特定されることはありません。
しかし、あまりにも具体的な情報を載せてしまうと、M&Aを行おうとしている企業を推測することができてしまいます。
プラットフォームに企業情報を登録をする際は、記載する内容に注意しましょう。
また、ノンネームシートをFAXなどで送信することによって、作成した資料を従業員に見られる可能性もあります。
M&Aに関する情報をどこかへ送信する場合は、提出方法にも注意が必要です。
M&Aマッチングプラットフォームでは多くの企業情報が見られるため、条件に合う企業を素早く見つけることができます。
しかし、必ずしも希望に合う企業が見つかるとは限りません。
ノンネームシートに掲載されている情報は概要のみとなるため、買い手企業側は具体的な情報がわからないという欠点があります。
その反面、売り手が情報を載せ過ぎると企業を特定されるリスクが生じます。
買い手の興味を引けずにマッチング相手が見つからなければ、情報掲載にかけた時間が無駄になってしまいます。
どうしてもマッチング相手が見つからない際は、希望する金額を下げるといった対策を行いましょう。
M&Aマッチングプラットフォームでは、アドバイザーがサポートをしてくれることもあります。
ただし、専門家に依頼したときと比較すると、受けられるサポートはあまり多くないでしょう。
M&Aを行う際は、契約書の作成など専門的な知識を要します。
複雑な作業を個人で行う必要があるため、充実した支援を受けたい場合は専門家に依頼したほうが良いケースもあります。
プラットフォームを利用すればコストを抑えてM&Aを実施できますが、コストとサポートのどちらを優先するかは考えておきましょう。
M&Aマッチングプラットフォームは、サイトごとに様々な違いがあります。
では、利用するプラットフォームを決めるには、何に注目すればよいのでしょうか?
ここでは、マッチングプラットフォームの選び方について解説します。
M&Aマッチングプラットフォームを利用する際は、掲載されている企業の数を確認しましょう。
掲載数が多ければ、希望する条件に合う企業を複数から選定することができます。
掲載されている霊園の数は、マッチング率に大きく影響する可能性があります。
ただし、マッチング率を決める要因は、掲載数だけではありません。
優良な企業を紹介するために審査基準を厳しくしているため、掲載数が少ないということも考えられます。
マッチング率が高いプラットフォームを探す際は、掲載数だけではなく全体的な信頼性も確認しましょう。
利用するプラットフォームを探す際は、そのサイトの成約実績も確認しましょう。
成約数が多く、大手企業のM&Aを成立させた実績もあれば、そのサイトは信頼性が高いといえます。
どういった案件を成立させているかを見ることで、そのサイトが得意とするM&A案件を確認することも可能です。
利用を検討しているプラットフォームがある際は、サイト内の情報や資料請求などで成約実績を調べることが大切です。
M&Aマッチングプラットフォームによって、金銭を支払うタイミングや利用手数料が異なります。
金銭の支払いが発生するタイミングは、交渉が一定ラインまで進んだ際や、成約時に支払うなどさまざまです。
利用手数料は成約金額の数%などの記載があっても、最低金額が設けられていることもあります。
プラットフォームを利用する際は、必要なコストを必ず確認しましょう。
M&Aマッチングプラットフォームには、ビズリーチで有名なVisionalグループが運営する「ビズリーチ・サクシード」や、政策金融機関である日本政策金融公庫が運営する「事業承継マッチング支援」などがあります。
それぞれ料金体系やサービス内容等が異なるため、自分にあったサービスを選びましょう。
種類ごとの違いなどを知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
【関連記事】M&Aマッチングプラットフォーム15選!選ぶ際のポイントは?
M&Aマッチングプラットフォーム以外でマッチング相手を探すにはどのような方法があるのでしょうか。
ここでは、M&Aマッチングプラットフォーム以外での探し方について解説します。
1つ目は、税理士や会計士にマッチング相手を探してもらうという方法です。
税理士や会計士は、複数の企業と繋がりを持っていることがあるため、M&Aを行なえる企業を紹介してもらえる可能性があります。
自社の財務状況について詳しい顧問税理士などに依頼すれば、デューデリジェンスの作成などはスムーズに行えるでしょう。
しかし、必ずしもM&Aに対する知識が豊富であるとは限りません。
ほとんどの場合は、M&A仲介会社などを紹介されることになるでしょう。
紹介費が発生するケースも考えられるため、仲介会社に直接依頼したほうがコストを抑えられる可能性もあります。
2つ目は、銀行などの金融機関に相談するという方法です。
金融機関は関わりを持っている企業が多いため、マッチング相手を紹介してもらえることもあるでしょう。
地域との関わりが深い地方銀行であれば、特定エリアでのマッチング率は高くなる可能性があります。
ただし、金融機関M&Aマッチングプラットフォームと比較すると、依頼にかかる費用が高い傾向があります。
相手企業を見つけるまでに時間がかかることもあるので、迅速にM&Aを行いたい場合は他の方法を検討しても良いでしょう。
3つ目は、M&A仲介会社に依頼するという方法です。
M&A仲介会社は、マッチングから成約までを一貫して依頼することができます。
M&Aのマッチング力も高く、ほとんどの場合は専門化とコネクションを持っているため、安心して依頼することができるでしょう。
デメリットとして、M&Aマッチングプラットフォームと比較すると成約時の報酬が高くなることがあります。
M&Aマッチングプラットフォームは利用手数料が低く、多くの情報が集められるというメリットがあります。
しかし、企業の情報が外部に漏れる可能性があるなどのデメリットも存在します。
メリット・デメリットのどちらも確認した上で、自分にあったマッチング相手の探し方を選びましょう。