投稿日:2022/06/06
更新日:2022/06/08
近年、M&Aや事業承継のマッチングプラットフォームは増加しています。
数多くあるM&Aマッチングプラットフォームですが、一体どのような違いがあるのでしょうか?
この記事では、サイトごとの違いや特徴、選ぶ際のポイントなどを解説します。
目次
M&Aマッチングプラットフォームとは、「売り手企業」と「買い手企業」のマッチング相手探しをサポートするサイトのことです。
企業を譲渡したいと考えていても、譲受をしてくれる相手を探すのは簡単ではありません。
譲受をする側も、条件を満たした企業を探すのは難しいでしょう。
そのような問題を解決するために有効的なのが、M&Aマッチングプラットフォームです。
M&Aマッチングプラットフォームを利用することで、マッチング相手を効率的に見つけることができます。
M&Aのマッチングをサポートしているサイトは複数あるため、より条件にあったサイトを選ぶことが大切です。
ここからは、数多くあるM&Aマッチングプラットフォームから選定した15サイトを紹介します。
事業承継マッチング支援とは、日本政策金融公庫が運営するM&Aプラットフォームです。
他のプラットフォームとは異なり、譲渡企業・譲り受け企業ともに無料でサービスを受けることが可能です。
ただし、原則として「日本公庫に事業資金の借入残高がある事業主」が支援対象になります。
借入残高がない方でも、専門家からの紹介があった場合などは支援を受けることができます。
特徴 | ・日本政策金融公庫が運営 ・無料で利用可能 ・利用条件に制限が設けられている |
料金体系等 | ・売り手、買い手ともに完全無料 |
運営企業 | ・日本政策金融公庫 |
ビズリーチ・サクシードとは、大手人材紹介サイト「ビズリーチ」で有名なVisionalグループの子会社が運営するM&Aプラットフォームです。
売り手企業は案件の掲載なども含めて完全無料でサービスを利用することができます。
利益の多くを手にする事ができるため、譲渡側にとっては大きなメリットといえるでしょう。
買い手側企業も一部プランでは成果報酬型で利用できるため、マッチング相手が見つからなかったときのリスクを抑えることが可能です。
また、新規で利用する際は審査を通過する必要があるため、質の高いマッチング相手を見つけやすいという特徴もあります。
特徴 | ・売り手企業は完全無料で利用できる ・会員制のため質の高いマッチング相手を見つけやすい ・売り手企業は情報開示するまで匿名で利用可能 |
手数料等 | ・売り手は無料 ・買い手は一部プランであれば成果報酬型で利用できる |
運営企業 | ・ビジョナル・インキュベーション株式会社 |
Batonzとは、M&A仲介会社である日本M&Aセンターのグループ企業が運営するプラットフォームです。
紹介している買い手企業は13万以上、対応案件数は7000以上と規模の大きさが魅力的です。
成約までの平均スピードは3ヶ月と、成約スピードが早いという特徴もあります。
買い手側は成果報酬型の上に、報酬は2%となっており、業界全体で見ても必要コストは抑えめです。
特徴 | ・国内最大級のM&A実績 ・成約までの平均スピードが3ヶ月 ・充実したサポート体制 |
料金体系等 | ・売り手は無料 ・買い手は成果報酬型(2%) |
運営企業 | ・株式会社バトンズ |
TRANBI(トランビ)とは、2011年からサービスを開始したプラットフォームです。
モーニングスター株式会社が発表した「Gomez M&Aプラットフォームサイトランキング2021」では総合1位を獲得しており、高い信頼性と実績があります。
サイトの安全性やセキュリテイ、情報の充実度が高く評価されています。
特徴 | ・案件掲載数は2000以上 ・外部からも評価される高い実績 ・売り手企業は無料で利用可能 |
料金体系等 | ・売り手は無料 ・買い手は成約価額の3% |
運営企業 | ・株式会社トランビ |
M&Aナビは、中小企業のM&Aを得意とするM&Aマッチングサービスです。
2021年3月より利用料・成約手数料を無料化したため、必要コストを抑えて利用することができます。
秘密保持誓約書の差し⼊れや質問などをオンライン上で行うことができるため、効率的にM&Aを進めることが可能です。
特徴 | ・売り手企業は完全無料で利用できる ・会員制のため質の高いマッチング相手を見つけやすい ・売り手企業は情報開示するまで匿名で利用可能 |
料金体系等 | ・サービス手数料 成約手数料 無料 |
運営企業 | ・株式会社M&Aナビ |
マフォロバは、大手求人情報メディアを運営する「エン・ジャパン」のグループ企業が行っているM&A仲介サービスです。
譲渡企業側は案件非公開で買い手企業を探すことができるため、従業員が不安を抱く心配はありません。
買い手企業は各種情報を登録すると案件情報が送られてくるため、マッチング相手を探す手間を抑えることができます。
特徴 | ・案件が外部に漏れない ・登録後は案件のオファーが送られてくる ・多くの業種に対応している |
料金体系等 | ・譲渡企業は無料 ・譲受企業は成約時に買収額の1.5%(最低金額は100万円) |
運営企業 | ・マフォロバ株式会社 |
スピードM&Aは、売り手と買い手で直接交渉を行う事によって、素早いM&Aを可能にするプラットフォームです。
100万円の案件や50億円を超える大型案件まで取り扱っているため、多くの方が利用という特徴があります。
サポート体制も充実しており、売り手と買い手のやりとりはチャットで行うことが可能です。
特徴 | ・売り手と買い手の直接交渉が可能 ・幅広い案件領域 ・チャットでの交渉や問い合わせができる |
料金体系等 | ・売り手は無料 ・買い手は成約時に1.5~5%の手数料(最低金額20万円) |
運営企業 | ・株式会社アイデアルパートナーズ |
M&Aクラウドは、売り手企業と買い手企業の交渉をオンラインで行うことができるプラットフォームです。
直接交渉することによって、売り手企業が買い手企業にアプローチしやすい環境を実現しています。
加えて、事業成長のための資金調達先を探すこともできます。
特徴 | ・売り手が買い手にアプローチできる ・資金調達先の選定も可能 |
料金体系等 | ・売り手は無料で利用可能 |
運営企業 | ・株式会社M&Aクラウド |
ビズマは、オンライン上でのマッチングや、オフラインでの支援を行う事業承継サービスです。
地域密着型のサービスを得意としており、地方の金融機関や自治体との連携によるサポートを実現しています。
案件を掲載する際は面談を行っているため、質の高いマッチング相手を探すことが可能です。
特徴 | ・売り手企業は完全無料で利用できる ・会員制のため質の高いマッチング相手を見つけやすい ・売り手企業は情報開示するまで匿名で利用可能 |
料金体系等 | ・不明 |
運営企業 | ・株式会社ビジネスマーケット |
M&A PARKは、アジア圏を中心とした世界各国の経営者とマッチングできるM&Aプラットフォームです。
世界中の案件を掲載しているため、他サイトでは行えないマッチングを実現できるといった強みを持っています。
売り手企業は着手から成約まで費用が無料。買い手企業も成約価格の3%で利用できるため、コストを抑えたM&Aが実現可能です。
特徴 | ・世界各国の案件を取り扱っている ・専門家の紹介サービスも行っている ・売り手、買い手ともにコストを抑えやすい |
料金体系等 | ・売り手は無料 ・買い手は成約価格の3%(最低価格30万円) |
運営企業 | ・株式会社エムアンドエーパーク |
JPMergersは、中小企業やベンチャー企業に向けたM&Aを行うマッチングプラットフォームです。
30名以上のアドバイザーを有しており、適切なサポートを受けることが可能です。
売り手と買い手のマッチング度を図るための機能を搭載しているため、より条件に近いパートナーを見つけることができます。
特徴 | ・中小、ベンチャー企業向けのサービス展開 ・M&Aアドバイザーのサービスを受けることが可能 ・マッチング度を図る独自の機能を搭載 |
料金体系等 | ・売り手は仲介手数料、着手金無料 |
運営企業 | ・Decillion Capital株式会社 |
M&Aプラスは、専門知識を持ったファイナンシャルプランナー(FA)のサポートを受けられるM&Aマッチングサービスです。
担当するFAは自分からオファーを出せるため、実績のあるパートナーを選んで依頼できます。
M&Aの専門知識が無い方でも、公平な売却や買収を実現可能です。
特徴 | ・専門家のサポートが受けられる ・FAを自分で選定できる ・交渉する価値があるかFAに判別してもらえる |
料金体系等 | ・ライト会員 入会金無料 |
運営企業 | デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 |
MAポートは、中小企業を中心としたM&A仲介サービスを行っているプラットフォームです。
ITや飲食、不動産といった数多くの業界に対応しているため、様々なユーザーが利用できます。
最短21日で成約を達成した実績を有しており、短期間でのM&Aが実現可能です。
特徴 | ・中小企業を得意とするプラットフォーム ・多くの業界に対応 ・スピード感のあるM&Aの提案 |
料金体系等 | ・売り手、買い手ともに完全成果報酬型 |
運営企業 | 株式会社ブレイクスルー |
DoM&Aは、東南アジアでのM&Aを得意とするプラットフォームです。
案件を取り扱っている国はシンガポール・ベトナム・インドネシアなど幅広く、他のプラットフォームとは異なる売り手企業を掲載しているという特徴があります。
各国のM&Aに関するニュースを発信しており、最新の情報を閲覧することも可能です。
特徴 | ・東南アジアを中心とした案件を紹介 ・買い手は2つの料金プランからニーズに合った選択が可能 ・各国のM&A情報を発信 |
料金体系等 | ・売り手は無料 ・買い手は2つの料金プランから選択可能 |
運営企業 | ・株式会社DoMandA |
飲食M&Aとは、M&A需要が増加している飲食業を専門としたプラットフォームです。
対応エリアは関東を中心に、中部・関西・九州へと広がっており、全国的な展開が期待されています。
1000万円以下の案件から1億を超える案件まで手掛けているため、飲食業でのM&Aを実現したい方は規模を問わず利用を検討しても良いでしょう。
特徴 | ・飲食に特化した案件を紹介 ・関東を中心とした様々な地域に対応 ・飲食に知見がある株式会社シンクロフードが運営 |
料金体系等 | ・売り手、買い手ともに成果報酬型 |
運営企業 | ・株式会社シンクロフード |
M&Aマッチングプラットフォームは、売り手と買い手ともに多くのマッチング候補を見つけられるというメリットがあります。
金融機関などに依頼する場合と比較すると、必要なコストを抑えることも可能です。
しかし、専門的なサポートを受けられない場合があるといったデメリットも存在します。
プラットフォームを利用する際は、メリットとデメリットを理解した上で利用しましょう。
M&Aマッチングプラットフォームのメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
M&Aマッチングプラットフォームとは?メリットとデメリットを紹介!
M&Aのマッチングプラットフォームには様々な種類がありますが、どのようにしてサイトを選べば良いのでしょうか。
ここでは、M&Aマッチングプラットフォームを選ぶ際のポイントを3つ紹介します。
M&Aマッチングプラットフォームによって、取り扱っている案件数や、買い手企業の紹介数などに違いがあります。
登録されている情報が多いサイトであれば、マッチングする可能性は向上するでしょう。
ただし、マッチング環境の充実度を決めるのは情報量だけではありません。
情報量を増やすために、M&Aに対する意欲の低い企業や、問題を抱えている企業を紹介してる可能性もあります。
掲載されている企業が優良でなければ、交渉時にトラブルが生じるかもしれません。
マッチング環境を比較する際は、M&Aマッチングプラットフォームの信頼性も確認しましょう。
専門家によるサポートの充実度を確認することも、プラットフォームを選ぶ際の大切なポイントです。
M&Aを実施するためには、銀行との借入額の調整や株主からの議決権の確保など、様々な準備が必要になります。
スムーズなM&Aを行うためにも、専門家からサポートを受けることは重要といえるでしょう。
簡易的な相談であれば無料で対応しているケースもあるので、M&Aを検討している際は、一度問い合わせてみるのも一つの方法です。
M&Aマッチングプラットフォームを比較する際は、必ず手数料をチェックしましょう。
手数料などが発生する買い手企業にとって、必要なコストを確認することは大事なポイントです。
売り手企業は無料で利用できる場合でも、買い手企業が支払うコストが高すぎると交渉の進行に影響が出ることも考えられます。
手数料を比較する際は、自分が支払うコストだけでなく、相手が支払う費用も確認しましょう。
ただし、手数料だけを気にしてしまうと、サポート体制やサービスの違いなどを見落としてしまうことも考えられます。
金銭面だけに気を取られず、全体的な違いを比べることが大切です。
M&A需要増加に伴い、マッチングプラットフォームは増え続けています。
違いを比較して、適切なサポートを受けられるサイトを選びましょう。
複数のM&Aマッチングプラットフォームに登録するのも一つの手段です。