投稿日:2022/08/21
更新日:2022/08/21
近年、システム開発会社の需要は高まっており、M&Aによる取引が頻繁に行われることが予測できます。
しかし、システム開発会社の売却を検討していても、どのような手順で進めていけば良いのかわからない方も多いでしょう。
この記事では、システム開発会社を売却する方法・売却価格の算定方法・売却するメリットなどを紹介していきます。
目次
システム開発会社とは、IT技術を使用してシステムを開発し、業務を効率化する仕組みを作っている企業です。
システム開発会社の業務内容は、外部から委託されたシステムの開発・家電製品の制御システムの開発・一般消費者が使用するWebサービスの開発など多岐にわたります。
自社にエンジニアがいない企業などは、システム開発会社に開発を依頼することで、業務の効率化を図ることもあります。
IT技術が発展している現代では、必要不可欠な業種であるといえるでしょう。
システム開発会社は、日本標準産業分類の中では「ソフトウェア業」に分類されます。
ソフトウェア業は、主以下の4つに分類されています。
システム開発会社の分類 | 内容 |
受託開発ソフトウェア業 | 顧客から依頼されたシステムの開発を行っている事業所 |
組込みソフトウェア業 | 家電製品などに組み込まれるシステムの開発を行っている事業所 |
パッケージソフトウェア業 | PCにインストールする電子計算ソフトなどを開発している事業所 |
ゲームソフトウェア業 | テレビゲームなどの開発を行っている事業所 |
システム開発会社は、元請けの企業が二次請け企業に依頼し、二次請け企業が三次請け企業に依頼するといった「多重下請け企業」になっていることが多い業種です。
IT業界や建築業界などは、このような多重下請け構造になっているケースが多く見られます。
大手のシステム開発会社は、委託された業務の一部を外部の企業に発注しすることもあります。
そのため、中小規模のシステム開発会社は、受託開発が主な収入源になっていることもあるでしょう。
システム開発会社は、市場規模が拡大し続けており、今後も発展していく可能性が高い業種であるといえるでしょう。
しかし、需要が増加している反面、人材不足が懸念されている業種でもあります。
ここでは、システム開発会社の現状について解説していきます。
2011年以降、ソフトウェア開発・プログラム作成を事業としている企業の売上高は増加し続けています。
2021年には、売上高が10兆円を上回る11兆255億円を記録しました。
市場規模が拡大している要因は、クラウドサービスの浸透が大きく関わっていると考えられます。
クラウドサービスとは、今までPCに保存していたようなデータを、ネットワーク上にて共有すつことができるサービスです。
クラウドサービスの登場によって、システムの構築にかかっていた時間を大きく削減することが可能になりました。
加えて、クラウドサービスにシステムを移す際には仮想化ソフトが必要になるため、外部からの需要も高まり続けることが予測されます。
クラウドサービスの登場は、システム開発会社の発展に大きく貢献しています。
クラウドサービスの登場によってさらなる発展が見込まれているシステム開発業界ですが、人材の数がニーズの増加に追いつかなくなる可能性があります。
2019年に経済産業省から発表された情報によると、2030年には最大で79万人ものIT人材が不足すると予測されています。
これは、IT人材の需要が年間3~9%増加していくという予測によるデータです。
しかし、年間1%需要が増加した場合でも16万人もの人材が不足すると考えられています。
このような現状から、システム開発を行う人材のニーズは高まり続けるでしょう。
人材の大量取得にはM&Aによる買収が有効であるため、売り手企業の需要も増加することが予測できます。
市場規模の拡大・IT人材の不足などによって、システム開発会社の買収を希望する企業は増え続けることが予測されます。
システム開発会社を売却することには、主に以下のメリットが存在します。
システム開発会社も含む情報通信業界では、後継者がいない企業が多く存在しています。
後継者が不足している原因は、起業からの年月が浅い会社が多いことや、創業者の年齢が他の業種よりも若い傾向にあることが挙げられます。
また、経営者が高齢になり、経営の存続が困難になっているシステム開発会社もあるでしょう。
会社を継ぐ人材がいない場合、廃業という選択肢をとらなければいけない状況になることも考えられます。
後継者不足による廃業を回避したい場合は、M&Aによる事業承継が有効です。
M&Aによる企業の売却は廃業と比較すると多くの利点があるため、企業の存続が難しい場合には自社の売却を一度検討しましょう。
自社を廃業してしまった場合、従業員は新たな雇用先を見つける必要があります。
従業員の働き口が見つからず路頭に迷うことは、経営者として回避したいと考えることもあるでしょう。
従業員の雇用を守りたい際には、M&Aによる会社の売却を検討しましょう。
M&Aの条件に従業員の雇用を設けることで、譲渡後も仕事を続けることができます。
また、売却後に従業員の労働環境を悪化させたいためにも、人事制度や雇用条件についてはあらかじめ話し合っておきましょう。
M&Aによってシステム開発事業を売却すれば、新たな事業を行うための時間を設けることができます。
売却によって獲得できる資金を利用すれば、新たな事業も始めやすくなるでしょう。
また、複数の事業を行っている企業の場合は、システム開発事業を売却することによって、他の事業に集中することも可能です。
自社で行っているシステム開発事業で充分な利益が出ていない場合は、M&Aによる売却を検討してもよいでしょう。
大手企業に自社を売却すれば、子会社として傘下に加わることができます。
親会社のブランド力や資源、最新技術などを活用すれば、事業の成長を図ることが可能です。
本来であれば、自社のみでそれらを構築するには多大な時間を要します。
大手企業の傘下に加わることができれば、スピーディーに自社を成長させることができるでしょう。
また、親会社からシステム開発を直接請け負えば、多重下請け構造による利益の低下を防止することができます。
中小規模の企業は、個人保証によって融資を受けて経営を行っているケースも存在します。
経営状況が自身の生活に影響するため、精神的な負担を抱えている経営者も少なくないでしょう。
精神的な負担を解消したい場合、M&Aによって会社を売却するという方法もあります。
ただし、個人保証などから開放されたい場合には、それをM&Aの条件に加えて手続きを行う必要があります。
自動的に相手企業へ引き継がれる訳ではないので注意しましょう。
M&Aによって企業を売却した場合、企業の価値に応じた利益を獲得することができます。
自社の経営状況によっては多額の資金が手に入るため、M&Aを行う上で最も大きいメリットといえるでしょう。
システム開発会社は需要が多いことから、相場よりも高く売却できる可能性があります。
売却資金を活用することで、新たな事業の立ち上げや、既存事業の利益向上を図ることも可能です。
また、多額の売却資金があれば、経営から離れアーリーリタイアを行い、自由な生活を獲得することもできます。
ただし、経営者が売却利益を獲得するためには、株式譲渡によってM&Aを実施する必要があります。
事業譲渡で自社を売却した場合、売却益は企業が受け取ることになるため注意が必要です。
システム開発会社を売却したい場合には、どこに相談をして進めていけば良いのでしょうか?
ここでは、システム開発会社の売却を行う際の主な相談先を紹介します。
相談先 | 長所 | 短所 |
金融機関 | ・財務関係に対する知識が豊富 ・M&Aに関する部署を設けている場合は、対応しているサポートの範囲が広い | ・中小企業のM&Aには対応していないことがある ・他の相談先よりも手数料が高い傾向がある |
会計士などの専門家 | ・企業価値の算定や発生する税金に関する相談などを依頼できる ・M&Aに対する知識を有している場合がある | ・M&Aに対する全般的な相談に対応していないこともある ・企業のネットワークに限りがある |
M&Aマッチングプラットフォーム | ・小規模案件にも対応している ・他の相談先よりも手数料が安い | ・相手企業の選定のみしかできないことがある ・サポート範囲が限られていることがある |
M&A仲介会社 | ・M&Aに関する全般的なサポートを行っている ・交渉によってどちらか一方が不利になりにくい | ・交渉によって有利に進めることは難しい ・発生する費用が仲介会社によって異なる |
銀行などの金融機関では、M&Aのサポートに対応していることもあります。
金融機関は、会計に関する知識を多く有しているという長所が存在します。
専門の部署を設けている金融機関は、M&Aに対する専門知識も持っているため、さまざまなサポートを依頼することができるでしょう。
ただし、金融機関がサポートを行っているのは大手企業が多いため、中小企業のM&Aには対応していない可能性もあります。
他の相談先よりも手数料が高い傾向にあるため、金銭的な負担を加味した上で検討しましょう。
会計士や税理士などの専門家も、M&Aのサポートを行っていることがあります。
自社と付き合いのある専門家であれば、財政面の相談なども行いやすいでしょう。
M&Aを行う際には、企業価値の算出や税金の計算などを行う必要があるため、それらを依頼できることは大きなメリットです。
ただし、全ての専門家がM&Aに対して知識を有しているわけではありません。
他の相談先と比較すると企業とのネットワークが少ない傾向もあるため、依頼する際にはそれらを確認する必要があります。
M&Aマッチングプラットフォームとは、売り手企業と買い手企業をつなぐサービスを提供しているサイトです。
多くの場合、M&Aマッチングプラットフォームはマッチング候補の企業を掲載しているだけですが、一部ではアドバイザーの紹介も行っています。
また、利用する際の手数料は他の相談先よりも安い傾向があるため、費用を抑えてM&Aを行いたい方におすすめです。
注意点として、プラットフォームによってはサポートを行っていない場合や、サポートがあまり充実していないこともあります。
M&Aに関する知識に自身が無い方は、幅広いサポートに対応しているプラットフォームに依頼するか、他の相談先への依頼も検討しましょう。
M&A仲介会社とは、M&Aの全般的なサポートを手掛けている会社を指します。
幅広いネットワークを有しており、相手企業の紹介や専門家の紹介も行っているため、M&Aをスムーズに進めることが可能です。
買い手企業と売り手企業を中立の立場からサポートするため、交渉によってどちらか一方が不利になりにくいというメリットもあります。
ただし、中立の立場でサポートするという特性から、交渉によって自身に有利な取引を進めにくいというデメリットも存在します。
仲介会社によっては、利用する際に相談料や月額報酬などが発生することもあるため、あらかじめ利用料金などを確認しておきましょう。
また、ACコンサルティングでは、システム開発会社の売却を完全成功報酬型でサポートしています。
M&Aに関する相談に無料で対応しておりますので、売却を検討している方はお気軽にお問い合わせください。
ACコンサルティングに無料で相談してみる
システム開発会社の規模は、企業によって大きく異なります。
企業を売却する際には、将来性や発揮するシナジーなども加味して価格が決定するため、相場はいくらであると一概にはいえません。
ただし、中小企業の売却価格は、「時価純資産に、2~5年分の営業利益を足した金額」を基準として計算されるケースが多く見られます。
時価純資産が5000万円で、年間の営業利益が3000万円の企業であれば、1億1000万~2億円程度が売却価格の目安といえるでしょう。
また、IT業界は人材が不足している傾向があることから、一般的な企業よりも高く売却できる可能性があります。
売却価格が気になる場合は、類似した企業の取引事例なども参考にしましょう。
中小企業の売却価格は、「時価純資産に、2~5年分の営業利益を足した金額」が目安です。
ただし、実際の売却価格は、さまざまな評価方法を組み合わせて算出された結果を元に決定します。
売却価格を算出することは企業価値評価と呼ばれており、算出方法は「インカムアプローチ」「コストアプローチ」「マーケットアプローチ」に分けることが可能です。
ここからは、それぞれの算出方法について個別に解説していきます。
【関連記事】M&Aにおける企業価値評価(バリュエーション)とは? 種類やメリットも解説!
インカムアプローチとは、対象となる企業が将来性的に生み出す利益を元に、企業価値評価を行う手法です。
企業の将来性が評価の対象に含まれるため、継続して利益を生み出せるようなベンチャー企業などの評価に適しているといえるでしょう。
企業の統合によるシナジーも評価されることから、両企業の特性がマッチしている際にも有効な評価方法です。
ただし、インカムアプローチは将来性という未確定な要素を加味することから、客観性が低いというデメリットも存在します。
インカムアプローチの種類は、主に以下の3つがあります。
DCF法 | 将来的に生み出すフリーキャッシュフローを現在価値に戻して算出する手法 |
収益還元法 | 企業が将来的に生み出すと予測される収益を現在価値に還元して算出する手法 |
配当還元法 | 将来的に予測される配当金額を現在価値に戻して算出する手法 |
コストアプローチとは、企業が所有している純資産を元に企業価値の評価を行う方法です。
コストアプローチは、賃借対照表に記載されている値から計算を行うため、客観的な算出結果を得られるというメリットがあります。
客観性に優れていることから、外部からの納得してもらいやすい算出方法でもあります。
反面、M&Aにおいて重要である企業の将来性が、算出対象に含まれていません。
統合後にも売り手企業が存続する場合は、将来性を加味した算出方法が適しているといえるでしょう。
コストアプローチの手法は、主に以下の2つがあります。
簿価純資産法 | 賃借対照表に記載されている純資産をベースに算出する手法 |
時価純資産法 | 企業が所有している資産を時価に直して算出する手法 |
マーケットアプローチとは、市場での株価やM&A事例などを基準に企業価値を評価する方法です。
市場環境をベースにすることから、企業が行っている事業のニーズを算出対象に含めることが可能です。
対象となる値を公式に当てはめて求められるため、計算が容易というメリットもあります。
反対に、マーケットアプローチには、市場環境が計算の基準となることから企業の独自性が評価されないというデメリットがあります。
政策などの影響によって市場環境が変動していた場合、適切な企業価値を評価することが困難になるでしょう。
マーケットアプローチの手法には、主に以下の3つがあります。
類似企業比較法 | 類似企業の株価などを参考にして算出する手法 |
類似取引比較法 | 類似企業のM&A事例を参考に企業評価を行う手法 |
市場株価法 | 市場に公開されている株価を元に評価を行う手法(上場企業のみ使用できる) |
システム開発会社を高く売却したいと考えている場合、どのような行動をすればよいのでしょうか?
ここからは、売り手企業が自社を高く売る方法を8つ紹介していきます。
【システム開発会社を高く売る方法】
M&Aによって自社を売却する際には、企業の将来性や予測されるシナジーが売却価格の算定に加味されます。
独自の強みを有している企業であれば、企業価値が高く算出されるでしょう。
買い手企業に適切なアピールも行えるため、買収を希望する企業が早く見つかる可能性も高まります。
同業種の企業と比較した際に、自社にはどのような強みがあるのかを研究して、セールスポイントを把握しておくことが重要です。
システム開発会社を含むIT業界では、人材不足が問題視されているため従業員の獲得を目的としたM&Aが行われることが多いでしょう。
統合後に従業員が流出する可能性が高い場合、買収価格が低く見積もられる恐れが存在します。
離職するリスクによって企業の価値を落とさないためにも、人材の流出を防げるような環境を構築して置くことが大切です。
例として、従業員との信頼関係が生まれている企業であれば、M&Aによって売却した後も離職するリスクを抑えられるでしょう。
M&Aを行うことによって、従業員にメリットが生じるような施策を取ることも有効です。
また、人材の流出は、買い手企業側も防止したいと考えている可能性が高くあります。
買い手企業と協力し、人材の流出を防ぐように努めていきましょう。
自社を高く売却するためには、独自の強みを買い手企業にアピールすることが重要です。
しかし、その強みが買い手企業に伝わらなければ、高値で売却することは難しいでしょう。
自社の強みが異業種の相手に伝わりにくい内容であった場合は、同じ業種の買い手企業に売却することが有効です。
同業種の企業に買収をすれば、統合作業もスムーズに行いやすいというメリットも存在します。
統合によって生み出せるシナジーも見つけやすいため、専門性が高い企業ほど有効な手段といえるでしょう。
企業価値を評価する際には、将来的に生み出す利益も評価対象に含まれます。
将来的に利益を生み出せない可能性が高い場合、買収を希望する企業も現れにくいでしょう。
将来性も具体的に提示できなければ、買収リスクを下げるためにも安い価格で買われてしまうことが予測できます。
自社を高く売るためには、将来的に生み出せる利益を明確にして、買い手企業にアピールすることが大切です。
自社の経営状況や取引先との契約などを分析して、将来性を提示できる資料などを作成しておきましょう。
優秀な人材を抱えているシステム開発会社であれば、多くの案件に対応することができるため、より収益を生み出すことができるでしょう。
人材不足が深刻なIT業界では、優秀なエンジニアは希少性が高いため大きなアピールポイントになります。
自社を効果的にアピールできれば、高値での買収を希望する企業も現れる可能性が高まります。
優秀な人材を育成するためにも、早い段階から教育環境を整えておくことが重要です。
企業の価値を高めるためには、自社の純資産を増やすことが重要です。
独自の技術や優良な企業との繋がりなどを増やし、収益性を高めていきましょう。
ただし、効率的に自社の利益を増やしていくことは容易ではありません。
自社の純資産を増やしたい場合は、抱えている負債を減らしていくことも有効です。
財務状況を見直して、不要な資産・削減できる固定費・収益性の低い事業などがないかを確認しておきましょう。
企業価値を算定する際には、市場の動きによって評価額を求めるケースも存在します。
市場での価値が低い時期に売却した場合は、本来の価値で自社を売却できなくなることも考えられます。
将来性も低いと判断される可能性も高まるため、売却価格が安く算出されるだけでなく、買い手企業が現れないといったこともあるでしょう。
そのような不利益を産まないためにも、自社の売却を行う際には、市場の動きもチェックしておくことが大切です。
また、市場価値が高い時期に自社を売却をすれば、相場よりも高値で売却できる可能性もたかまるでしょう。
M&Aによって自社を売却する際には、企業価値の評価や、相手企業との交渉などを行う必要があります。
自社の企業価値を低く見積もってしまった場合は、相場よりも安く売却してしまう恐れがあります。
反対に高く見積もった場合は、買収を希望する企業が現れないこともありでしょう。
相手企業が見つかった後でも、交渉がうまく進まずに不利な条件で話が進んでしまった際には、適正価格で自社を売却できない可能性が高まります。
自社を適正な価格で売却するためにも、M&Aを行う際には、仲介会社などの専門家に依頼することをオススメします。
M&Aのサポートを行っている仲介会社は、買い手企業との豊富なネットワークを有しているため、シナジーを生み出せる企業が見つけられるでしょう。
システム開発会社を売却する際には、主に「サポートを依頼するための手数料」と「税金」がかかります。
ここでは、企業の売却にかかる費用について紹介します。
1つ目は、企業の売却に対するサポートを受けるための費用です。
売却のサポートにかかる費用は、金融機関や仲介会社などの依頼先によって異なります。
例として、仲介会社に依頼した場合は、相談料・着手金・中間報酬などの手数料が発生します。
ただし、仲介会社によっては相談料などの手数料を設けていないケースもあるため、予め確認しておきましょう。
2つ目は、企業を売却したときに支払う税金です。
発生する税金は、スキームを呼ばれるM&Aの手法によって異なります。
例として、中小企業のM&Aで最も使用されている株式譲渡の場合に発生する税金を紹介します。
株式譲渡によって発生する税金は、売り手が個人の場合と法人の場合によって異なるため注意しましょう。
売り手が個人の場合には、譲渡所得に対して、所得税と住民税を足した20.315%が課税されます。
売り手が法人の際には、住民税・法人税・事業税などを足して、合計で30~40%が課税されます。
自社を売却する場合は、税金が発生することを忘れないようにしましょう。
ここからは、システム開発会社の売却及び買収事例を5つ紹介します。
【システム開発会社の売却及び買収事例】
2010年、株式会社システムディは、調剤薬局向けシステムの開発を行っている株式会社シンクを子会社化することを発表しました。
システムディは、シンクの子会社化によって事業領域を拡大し、収益の向上を図りました。
この取引の総額は約4500万円です。
2010年、アクモス株式会社は、医療システムの開発を手掛けている日本メカトロニクス株式会社の家具式を取得し子会社化することを発表しました。
アクモスは、日本メカトロニクスを子会社化することによってシナジーの発揮を図りました。
この取引の総額は約1600万円です。
2008年、株式会社リミックスポイントは、検査市場におけるシステム開発を手掛ける株式会社ディーシースクエアを子会社化することを発表しました。
リミックスポイントは映像領域などのシステム開発を営んでいる企業であり、買収によって事業領域の拡大を図りました。
この取引の総額は1億7100万円です。
2008年、さくらインターネット株式会社は、連結子会社である株式会社カイロスの株式を株式会社ユースに譲渡しました。
カイロスはシステム開発を手掛けている企業で、ユースはパッケージソフトの開発や販売などを行っている企業です。
この取引の総額は約8000万円です。
2016年、株式会社アウトソーシングは、債権回収システムの開発を手掛けているCASE DYNAMICS LIMITED及び回収代行サービスを営んでいるJ.B.W. GROUP LIMITEDの株式を取得し孫会社化することを発表しました。
この取引によって、アウトソーシングは英国での事業基盤の強化を図りました。
この取引の総額は35億8000万円です。
システム開発会社の市場規模は年々拡大し続けています。
IT人材の需要が高まっていることから、システム開発会社の売却事例は増えることが予測されます。
システム開発会社を高く売りたい場合には、以下のポイントを抑えておきましょう。
また、ACコンサルティングでは、システム開発会社の売却を成功報酬型でサポートいたします。
売却の相談に無料で対応しているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。