塗装工事会社のM&A動向!課題や売却・買収事例も紹介

投稿日:2022/06/19

更新日:2022/09/26

近年、大手の塗装工事会社は業績を伸ばし続けており、塗装会社のニーズが高まることが予想されます。

しかし、業界全体では経営者の高齢化が進んでいるため、廃業という選択肢をとるケースが増え続けています。

以上を踏まえると、将来的には需要と供給のバランスが取れなくなるなるかもしれません。

そのような問題を解決する方法の一つとして、M&Aによる事業承継が挙げられます。

この記事では、塗装会社の動向や課題、M&Aを実施する流れなどを紹介します。

塗装工事会社とは?

塗装工事会社とは、住宅の外壁塗装や撥水加工などを事業とする企業のことです。

塗装は着色以外にも、錆止めといった表面の保護を目的として行われることもあります。

塗装する素材の種類は数多く存在することから、塗装工事会社によって得意な分野が分かれていると言った特徴があります。

業界の傾向としては、大手企業から依頼を受けた二次請け企業が建設やリフォームを行い、塗装工事を三次請けという形で引き受けるといったケースが多く見られます。

また、塗装工事会社は少数精鋭で事業を行っていることが多い業界です。

塗装工事会社の動向

ここからは、塗装工事会社の動向について解説します。

コロナ禍で一時的に市場は落ち着いた

塗装工事会社は、その形態から建設業界の市場に影響されるといえるでしょう。

東本大震災が起きた際は、建設業界の市場規模は大きく拡大しました。

しかし、国土交通省が発表した建設投資額のデータによると、2020年度の建設投資額は、前年度から2.5%減少した60.9兆円になると予想されています。

これは、コロナが流行したことによる影響であると考えられます。

2021年には前年度から2.9%増加した約62.5兆円になると見込まれているため、市場規模はコロナ禍以前に戻る可能性は高いでしょう。

将来的に需要が増えていくことが予想されている

近年では、老朽化した建物を新築のように改装する「リフォーム」や、既存の建物に新たな設備を追加する「リノベーション」の需要が高まっています。

リフォーム・リノベーション需要の増加に伴い、塗装工事会社の需要も伸びることが予想されるでしょう。

リフォーム・リノベーション需要増加の理由は、コロナの発生によりリモートワークなどが増えたからであると考えられています。

自宅にいる時間を快適に過ごすために、環境を整えたいと考える消費者が増え続けています。

また、リノベーションはリフォームと比較すると低予算で行うことが可能ですので、近年40~60代を中心に注目を集めています。

塗装工事会社が抱える課題

塗装工事会社は、将来的な需要の増加が予測されています。

しかし、塗装工事会社の数は、さまざまな要因から減少していくこと可能性が高いといえるでしょう。

ここでは、塗装工事会社が抱えている問題について解説します。

条件を満たした人材が必要

請負代金が500万円以上を超えている場合、塗装工事を行うには塗装工事の建設業許可を取得する必要があります。

塗装工事の建設業許可は、さまざまな条件を満たしている人材がいなければ取得することができません。

取得条件の例として、建設業の経験が5年以上ある人物が常勤している必要があります。

また、各営業所には規定の資格を所有した人物を配置しなければいけません。

経験や資格を持った人材が必要になるため、塗装工事会社を新規に立ち上げるには時間がかかるでしょう。

資格を持った人材をスムーズに用意するために、塗装工事会社のM&Aは頻繁に行われています。

人材不足が目立っている

現在、人材不足が問題になっている業界は増え続けています。

その中でも、塗装工事会社を含む建築業界の人材不足は目立っており、人材の補充は今後の課題といえるでしょう。

人材不足の要因は、平均給料の低さや労働時間の長さなどが挙げられます。

労働環境の改善や、M&Aによる人材確保による人材不足の解消が求められています。

経営者の高齢化が進んでいる

経営者や従業員の高齢化は、人材不足のもう一つの要因といえるでしょう。

高齢化によって、資格や経験を持つ従業員の数は減り続けています。

後継者がいない事により、廃業という選択肢をとる塗装工事会社は増加傾向にあります。

後継者がいない売り手企業は、M&Aなどによる事業存続が望まれています。

塗装工事会社を譲渡する方法

塗装工事会社を譲渡する手段は、主に「株式譲渡」と「事業譲渡」の2つの方法が挙げられます。

ここからは、塗装工事会社を譲渡する方法を個別に解説します。

株式譲渡

株式譲渡とは、事業主などが保有している株式を承継者に譲渡するM&Aの手法の一つです。

他のM&A手法と比較すると手続きが容易であることから、買い手と売り手の交渉次第ではスムーズに事業承継を行うことができます。

加えて、事業譲渡よりも税金を抑えられるという特徴もあり、売却利益を多く手元に残すことが可能です。

これらの特徴から、中小企業のM&Aに置いて最も多く使われています。

事業譲渡

事業譲渡とは、会社が行っている事業を第三者に譲渡するM&Aの手法の一つです。

他の事業を手掛けている場合は、事業の一部のみを譲渡することも可能です。

塗装工事の事業が経営不振になった場合は、その事業を譲渡することで他の事業に集中することができます。

また、事業譲渡は営業利益やテナントなどの資産額をもとに計算されます。

株式譲渡とは異なり、株式会社という会社形態を取っていない場合でも、事業を譲渡することが可能です。

塗装工事会社のM&Aの流れ

塗装工事会社を譲渡する場合は、以下の流れで進めていきます。

  • 1.専門家に相談する
  • 2.買い手・売り手を探す
  • 3.相手企業との交渉を進める
  • 4.基本合意書の締結
  • 5.買い手がデューデリジェンスを実施する
  • 6.再度交渉をして最終契約書を締結する
  • 7.クロージングを実施する

ここからは、事業を承継する流れについて個別に解説します。

1.専門家に相談する

まず最初は、M&Aについて専門的な知識を持った相手に相談しましょう。

M&Aを行うにはさまざまな手続きが必要なため、仲介会社などのサポートを受けて行うのが一般的です。

また、M&A仲介会社は、企業によって手数料やサービス内容が異なります。

複数の仲介会社の中から、自分が求めているサービスを受けられる企業を選定しましょう。

2.買い手・売り手を探す

専門家への相談を行った後は、売り手企業や買い手企業を探してもらいましょう。

M&A仲介会社では、マッチング相手の選定も行っています。

複数の企業を提案された場合は、その企業の中から自分が求めている条件に合った企業を選びましょう。

また、企業を探している段階では、秘密保持のために公開する情報に制限が設けられています。

このときに公開する情報はノンネームシートと呼ばれており、内容によってM&Aの成功率は変動します。

相手企業がM&Aを行いたいと感じるように、ノンネームシートの内容は専門家と相談して決めましょう。

3.相手企業との交渉を進める

希望している条件を満たした企業が見つかったら、相手の経営者と面談を進めましょう。

面談を行う際には、譲渡価格の交渉のみ進めるのではなく、相手が信頼できるかを判断することも大切です。

売り手企業にとって、売却後に事業が倒産してしまうことは望ましくないでしょう。

買い手企業にとっても、後々に問題が発生するなどのリスクを避けるために、信頼できる相手から買収したいと考えることは当然です。

交渉を行う際は、相手が信用できるかを見極めることも大切な要素です。

4.基本合意書の締結

お互いの交渉が進んだ後は、基本合意書の締結を行います。

基本合意書を締結する際は、譲渡方法や売却価格などの確認をします。

基本合意書は法的なものではないため、ここで決めた売却価格などは、最終的に変動する可能性があるので注意しましょう。

5.買い手がデューデリジェンスを実施する

基本合意書の締結を行った後は、買い手企業がデューデリジェンスを実施しましょう。

デューデリジェンスとは、買い手企業が売り手企業を買収しても問題ないかを調査することです。

株式譲渡などを行う際は、売り手企業が抱えている負債は買い手企業に譲渡されます。

売り手企業が負債を隠していたことによって、予想外の不利益も引き継いでしまうといったことは避けたいでしょう。

このようなリスクを回避するためにも、デューデリジェンスの実施は必要不可欠です。

6.再度交渉をして最終契約書を締結する

デューデリジェンスが完了した後は、売却価格などの最終交渉を行いましょう。

条件に納得ができる場合は、最終契約書を締結します。

最終契約書を締結した後は、契約内容を後から変更することはできません。

売却及び買収をしたことを後から後悔しないためにも、最終契約書の締結は慎重に行いましょう。

7.クロージングを実施する

最終契約書の締結が完了したら、契約内容を参考にクロージング作業を行います。

事業譲渡などで事業を譲り受けた際は、許認可の取得が必要になるケースもあるので注意しましょう。

株式譲渡の場合は、許認可を再度取得する必要はありません。

クロージングが完了したら、事業の引き継ぎは終了です。

塗装工事会社を売却・買収するメリット

塗装工事会社を売却・買収することは、どのような利点があるのでしょうか?

ここでは、M&Aを行うメリットを、売り手と買い手の目線で分けて紹介します。

売り手のメリット

塗装工事会社を売却するメリットは、主に以下の3つが挙げられます

  • 1.後継者を確保できる
  • 2.事業を存続できる
  • 3.売却利益を獲得できる
  • 4.将来的な不安を回避できる

1.後継者を確保できる

塗装工事会社を売却することによって、後継者問題を解決することができます。

塗装工事会社を運営するためには、専門的な知識を持った人材を保有していなければなりません。

育成にかかる時間も長いことから、後継者がいない塗装工事会社も多いでしょう。

そのような問題の解決方法として、M&Aによる事業譲渡が挙げられます。

事業を承継できる相手がいない場合は、第三者への譲渡を検討してもよいでしょう。

2.事業を存続できる

M&Aによって塗装工事会社を売却すれば、事業を存続することが可能です。

経営に必要な売上を獲得できていないといった理由で、事業を続けられなくなったということもあるでしょう。

事業が存続できないことによって廃業をしてしまうと、従業員は新たな仕事を探す必要があります。

従業員の雇用先を確保する方法として、M&Aは有効です。

シナジー効果を発揮できる企業に事業を譲渡すれば、売上を伸ばせる可能性は高まるでしょう。

資金面が安定した企業に売却すれば、従業員の生活を安定して守ることができます。

事業運営に不安がある方は、M&Aによる事業の存続を図ってもよいでしょう。

3.売却利益を獲得できる

事業を第三者に譲渡した場合、企業価値に応じて売却利益を獲得することが可能です。

高齢などの理由によって引退を考えていても、資金面などの理由で仕事を辞められない経営者もいるでしょう。

M&Aによって売却利益を獲得すれば、引退後の生活資金を獲得することができます。

また、M&Aによって獲得した資金をもとに、新たな事業を立ち上げることも可能です。

まとまった資金を得られることは、事業売却を行う大きなメリットといえるでしょう。

4.将来的な不安を回避できる

事業を行う上で、予想外の出来事によって倒産するといったリスクはゼロではありません。

現在では事業がうまく行っていても「長期的に事業を続けられるか不安だ・・・」と考えている経営者もいるでしょう。

塗装工事会社が利益を得るためには、一次請け企業などから仕事を受注する必要があるため、経営が安定しない時期が発生することも考えられます。

そういった不安を抱えている方は、第三者への事業譲渡を検討するのも一つの手段です。

大手企業の傘下に入ることで、会社が倒産するリスクを抑えることができるでしょう。

買い手のメリット

塗装工事会社を買収するメリットは、主に以下の3つが挙げられます。

  • 1.資格を持った人材を確保できる
  • 2.事業の拡大を図れる
  • 3.消耗品などのコストを抑えられる

1.資格を持った人材を確保できる

塗装工事会社を運営するためには、資格を持った人材が多数必要になります。

実務経験も求められるため、条件を満たした人材を確保するのは容易ではありません。

加えて、近年では少子高齢化などの影響によって、育成できる人材すら少ないといったこともあるでしょう。

このような人材不足を解消する手段として、塗装工事会社の買収が挙げられます。

実務経験がある人材を多数所有している企業を買収することで、企業運営を続けていくための人材補充が可能です。

育成にかかる時間も抑えられるため、即戦力を即時に獲得できることは塗装工事会社のM&Aにおいて一番大きいメリットといえるでしょう。

2.事業の拡大を図れる

自社が塗装業務を行っていない場合は、売り手企業を子会社化することによって、事業を拡大させられるというメリットがあります。

塗装業を行うためには、一定の条件を満たした人材を確保し、許認可を取得する必要があります。

新たに塗装業も行う場合は、膨大なコストや時間がかかるでしょう。

M&Aによって塗装工事会社を買収すれば、塗装業界への参入をスムーズに行うことが可能です。

受注できる仕事内容が増えることで、営業利益の拡大を図ることもできます。

塗装業務を外部に依頼していた場合、子会社である塗装工事会社があれば、スムーズに業務を進めることができるでしょう。

3.消耗品などのコストを抑えられる

自社も塗装工事を行っていた場合、消耗品を大量発注して共有することで、必要なコストを抑えることができます。

塗装工事業を営むためには、塗料などの消耗品にかかる費用は安いとはいえないでしょう。

ともに塗装工事業を行っているグループ会社があれば、定期的にかかる消耗品コストを抑えて、獲得できる利益を増やすことが可能です。

塗装工事会社のM&A相場

塗装工事会社の売却価格は、企業が所有している資産や従業員の人数、将来性などを考慮した上で決められます。

加えて、それらによって求めた値を元に両企業の交渉によって価格が決定するため、相場となる価格を求めることは困難といえるでしょう。

また、一般的な中小企業の場合、時価純資産に2〜5年分の営業利益を足した金額が売却価格の目安になるといわれています。

自社の売却価格の目安を知りたい際は、それらによって算出された金額や、類似した業種・規模の取引事例などを参考にしましょう。

より正確な売却価格を知りたい場合、M&A仲介会社などの専門家に依頼することをおすすめします。

【関連記事】M&Aにおける企業価値評価(バリュエーション)とは? 種類やメリットも解説!

塗装工事会社のM&Aを成功させるポイント

M&Aを行うことは、買い手企業と売り手企業の双方にメリットがあります。

しかし、M&Aを行うことで、必ずしも良い結果が得られるとは限りません。

「想定していた利益を獲得できなかった・・・」
「交渉が途中で破綻してしまった・・・」

といったことにならないように、M&Aを成功させるためのポイントを抑えておきましょう。

塗装工事のM&Aを成功させるポイントは、主に以下の5つが挙げられます。

  • 1.売り手企業の強みを把握する
  • 2.M&Aを行う理由を明確にする
  • 3.事前に資料を準備する
  • 4.条件が合わない場合は交渉打ち切りも検討しよう
  • 5.専門家に相談する

1.売り手企業の強みを把握する

企業を売却する際は、自社が持つ強みを把握しておくことが大切です。

買い手企業を交渉を行う際、自社が持つ強みを明確に伝えることができれば、M&Aの成功率は格段に上がるでしょう。

買い手企業が自社を魅力的に感じれば、譲渡価格も上昇するかもしれません。

売り手企業は、競合他社と比較して、どのような強みを持っているのかを確認しましょう。

また、買い手企業が売り手企業を探す際も同様です。

売り手企業がどのような強みを持っているのかを確認して、買収後に期待していた利益を獲得できるのかを見極めましょう。

2.M&Aを行う理由を明確にする

事業を譲渡する理由は人によって異なるでしょう。
従業員の雇用を確保しておきたいのであれば、信頼できる相手に事業を譲渡するのが理想的です。
希望している売却利益を確保したいのであれば、買い手企業が提示した条件に流されないように注意する必要があります。

買い手が見つからないといった理由で、焦って企業を売却してしまうと、後から後悔してしまうかもしれません。
事業を売却する際は、M&Aを行う理由を明確にしておくことが大切です。

また、買い手企業が買収する企業を見つけるときも同様です。
自分が買収を行う理由を明確に考えておくことで、希望にあった企業をスムーズに見つけることができるでしょう。

3.事前に資料を準備する

M&Aを行う際は、相手企業を見つけるためにノンネームシートを作成する必要があります。

企業概要書の内容は、相手企業を特定できない範囲での情報を記載します。

相手企業に提供できる情報には限りがあるため、制限を設けた状態で如何に自社の強みを伝えられるかが重要です。
ノンネームシートは、専門家や仲介会社と相談して、開示する内容を慎重に決めましょう。

4.条件が合わない場合は交渉打ち切りも検討しよう

M&Aを行う際に、あまりにも条件が合わないと感じた場合は、M&Aを打ち切ることを検討してもよいでしょう。

交渉をある程度進めるためには、時間などのコストがかかります。

後から希望する条件に合わないと感じても、交渉が進んでいることがネックとなり、M&Aを実施してしまうといったことも考えられるでしょう。

交渉を進める上で、一定ラインまでの妥協は必要なことではあります。

しかし、M&Aをするメリットがないと感じる際には、M&Aを破談させることも大切です。
自分が妥協できる部分とできない部分を明確に考えておくことで、M&Aを成功する可能性は高まるでしょう。

5.専門家に相談する

中小企業がM&Aを行う際には、マッチング相手を見つけるのが困難でしょう。

専門的な知識も求められるため、M&Aを行う際は仲介会社などに依頼するのが理想的です。

ACコンサルティングでは、M&Aに関する相談に無料で対応しています。
M&Aを行う際に不安なことがあれば、お気軽にお問い合わせください。

無料でACコンサルティングに相談してみる

塗装工事会社のM&Aを実施する際の注意点

塗装工事会社をM&Aを行う際は、注意しておくべきポイントもあります。
ここからは、M&Aを行う際の注意点を2つ紹介します。

従業員が離職する可能性がある

M&Aを行うことで、従業員の労働環境の変化は避けられないでしょう。

従業員が売却に関して不安を感じてしまうと、離職してしまう可能性があります。

買い手企業との交渉を進めている最中に従業員が離職すれば、M&A自体が消滅してしまうことも考えられます。
離職するリスクを抑えるためにも、事業を売却することが外部にもれないように最新の注意を払いましょう。
また、M&Aが成立した場合においても、譲渡後に従業員が離職しないように気をつける必要もあります。

従業員にM&Aを行う理由を理解してもらうためにも、日頃から適切なコミュニケーションをとっておくことが大切です。
売却後の環境を大きく変動させないためにも、買い手と交渉時に雇用条件について話し合っておくことも有効な手段といえるでしょう。

実績のある人材が求められる塗装工事会社のM&Aは、人材の流出を防ぐことが最も優先される事項です。
売り手企業・買い手企業ともに、従業員の扱いには最新の注意を払いましょう。

希望していた売却利益を獲得できないこともある

事業譲渡をする際の売却価格は、企業が所有する資産と、将来的に生み出す価値を合わせた金額をベースに計算することがあります。

経営不振が数年間続いていた場合は、希望している売却価格を獲得できない可能性もあるでしょう。
自社に魅力を伝えられない場合は、買収を希望する企業が現れないということも考えられます。

より高く自社を売却したい場合は、経営が安定しているタイミングで売却することが大切です。

塗装工事会社のM&A事例

塗装工事業界は、人材不足の解消などを目的としたM&Aが頻繁に行われています。

ここでは、塗装工事業界で行われたM&Aの事例を5つ紹介します。

  • 1.協和エクシオによるコーケンの株式取得
  • 2.淺沼組によるSINGAPORE PAINTS & CONTRACTOR PTE. LTD.の子会社化
  • 3.アイカ工業が装武と資本業務提携

1.協和エクシオによるコーケンの株式取得

2018年8月、建設業や電気関連事業を中心に事業を手掛けている株式会社協和エクシオは、株式会社コーケンの株式を取得して子会社化することを発表しました。

コーケンは首都圏を中心とした塗装業を営んでいます。

協和エクシオは、2020年に向けて都市インフラ事業に力を入れていました。

協和エクシオはコーケンが持つ塗装技術を獲得することで、両社が持つ技術のシナジーを発揮して、都市インフラ事業のさらなる拡大を図りました。

2.淺沼組によるSINGAPORE PAINTS & CONTRACTOR PTE. LTD.の子会社化

2018年8月、120年以上の歴史があり総合建設業を営んでいる株式会社淺沼組は、SINGAPORE PAINTS & CONTRACTOR PTE. LTD.の株式を取得し、子会社化することを発表しました。

SINGAPORE PAINTS & CONTRACTOR PTE. LTD.は、シンガポールで外壁塗装や修繕工事を行っている企業です。
淺沼組は海外事業の強化に力を入れており、子会社化によってASEAN地域での事業拡大を図りました。

3.アイカ工業が装武と資本業務提携

2019年7月、化成品事業や建築資材事業などを手掛けているアイカ工業株式会社は、株式会社装武と資本業務提携を行うことを発表しました。

株式会社装武は、塗装工事で多くの実績を所有している企業です。

アイカ工業が提供している製品の中には、建築の仕上げに使用する「ジョリパット」という塗材があります。

資本業務提携をすることによって、ジョリパットによる外壁塗装と提案できる体制を確立しました。

この動きによって、アイカ工業はジョリパットブランドのさらなる向上を図っています。

まとめ

塗装工事会社では、高齢化や人材不足が問題視されています。

承継者がいないことから、事業売却を検討する塗装工事会社は増え続けるでしょう。

反対に、リフォームやリノベーション需要の増加によって、塗装工事会社の買収を図る企業が増えることも予想されます。

売り手・買い手ともにニーズがマッチしていることから、塗装工事会社のM&Aは頻繁に行われるでしょう。

塗装工事会社のM&Aを行う際は、仲介会社などの専門家に依頼することで、スムーズにマッチング相手を見つけることができるでしょう。
ACコンサルティングでは、電話などでの相談にも無料で対応しております。
M&Aを検討している方は、ぜひ一度お問い合わせください。

M&Aに関する様々なご相談を無料で承っております。
お気軽にご相談ください。

M&Aの無料相談フォーム

無料の電話相談

(年中無休 9:00~19:00)