電気通信工事会社の売却について解説!M&Aによる買収事例も紹介

投稿日:2022/11/04

更新日:2022/11/04

電気通信工事会社は、5Gといった通信技術が発展している現代において、必要不可欠な企業です。

しかし、近年では人手不足に悩む企業が増えており、電気通信会社も例外ではありません。

有資格者の存在が求められている電気通信工事業界は、その傾向が他業種より強いと考えられます。

人材が不足している場合、M&Aによる事業買収は問題解決を図る際に有効な手段です。

そのような理由から、電気通信工事会社の売却ニーズは高いといえるでしょう。

この記事では、電気通信工事会社の現状や売却するメリット、M&A事例などを紹介していきます。

電気通信工事会社とは

電気通信工事会社とは、テレビやインターネットといった情報通信設備の工事を事業として行っている企業のことです。

LANケーブルや光ケーブルの設置、電話回線の工事など業務内容は多岐に渡ります。

大枠の業種としては建設業に該当するため、事業を行う際には電気通信工事業の建設業許可を取得する必要があります。

また、一部の業務は、工事担任者や電気通信主任技術者といった資格が無いと行うことができません。

事業を行う際は、有資格者の存在が必要な業種でもあります。

電気通信工事会社の現状

電気通信工事会社は、オリンピック開催時期において一時的に受注高が上昇していました。

需要が高い電気通信工事会社ですが、人手不足や従業員の高齢化といった問題も抱えています。

ここからは、電気通信工事会社の現状について解説していきます。

オリンピックの影響で一時的に受注高が上昇

出典:国土交通省 設備工事業に係る受注高調査結果(各工事主要20社) ※グラフはACコンサルティングが作成 

国土交通省が発表した「備工事業に係る受注高調査結果」によると、電気通信工事会社を含む2019年度の電気工事業における受注高は約1兆7,685億円と、前年度と比較して大きく上昇しています。

内訳としては、民間工事の受注高は約1兆6,096億円、民間工事の受注高は約1,589億円です。

2019年度に受注高が大きく上昇した理由は、東京オリンピックによって建設工事の案件が増加したことが理由だと考えられます。

2020年度には受注高が約1兆5,571億円まで落ち着いていますが、2021年度には約1兆6,530億円まで上昇しています。

近年では5Gが普及し続けていることにより、電気通信工事会社の需要は更に高まり続けていくことでしょう。

しかしながら、電気通信工事会社全体では、大手による価格競争の激化が見られています。

中小規模の電気通信工事会社も含め、安定した収益の確保が課題になっていくと考えられます。

多くの企業が人手不足や高齢化といった課題を抱えている

出典:国土交通省 建設業構造実態調査 経営上の課題 ※グラフはACコンサルティングが作成 

国内需要が高い電気工事会社ですが、多くの企業が人手不足を課題と認識しています。

国土交通省が発表した「建設業構造実態調査」によると、人手不足が課題と答えた企業の割合は81.1%、後継者問題を課題と答えた企業の割合は40.4%でした。

近年、さまざまな業界で人手不足や後継者問題に悩む企業が増えています。

これらが発生する理由は、少子化や従業員の高齢化、転職件数の増加などが考えられるでしょう。

人手不足といった問題を解消するためにも、国内の企業は業務の効率化や労働環境の改善といった対策が求められています。

電気通信工事会社のM&A動向

電気工事業界では、事業の強化を目的としたM&Aや、後継者不足解消を目的とした事業譲渡などが行われてきました。

ここからは、電気通信工事会社を営む企業のM&A動向を解説していきます。

1.関連業種によるM&A

電気通信工事業界では、同業種に限らず、関連した業種によるM&Aの事例が見られています。

異業種の企業が電気通信工事を買収すれば、買い手企業は事業領域の拡大による収益向上を図ることが可能です。

また、電気通信工事会社側がM&Aによって異業種を買収するような事例も見られています。

取り組んでいる事業を増やすことは、経営基盤を安定させるための有効な手段といえるでしょう。

2.後継者問題の解消を目的としたM&A

近年、電気通信工事業界では後継者不足を課題と考える企業が多数存在しています。

少子化や高齢化が進んでいる現代では、後継者不足に悩む企業の数は増え続けていくことでしょう。

人手不足を課題と考えている企業が増えていることも、少子高齢化の影響があると考えられます。

従業員の数が少なければ、事業を承継する相手も必然的に限られてしまいます。

M&Aによって自社を売却することができれば、このような後継者不足という問題を解消することが可能です。

3.海外ニーズを視野に入れたM&A

電気通信工事業界は伸び続けることが予測されている業界ではありますが、東京オリンピックが終了した現在では、市場が縮小する可能性も考えられます。

国内での需要が低下した場合は、海外市場に手を伸ばすことで利益の拡大を図ることも可能です。

近年では、国外での展開を実現するために海外企業の買収を試みる企業が増えています。

海外企業側も、日本の通信技術を獲得できるというメリットが存在します。

電気通信工事会社を売却・買収するメリット

電気通信工事会社を買収・売却することで、企業に携わる人物はさまざまな恩恵を得ることができます。

ここからは、電気通信工事会社を売却・買収するメリットを個別に紹介していきます。

電気通信工事会社を売却するメリット

まずは、電気通信工事会社を売却するメリットを見ていきましょう。

【電気通信工事会社を売却するメリット】

  • 1.廃業を回避できる
  • 2.従業員の雇用を維持できる
  • 3.経営基盤が安定した企業の傘下に加われる
  • 4.売却益を獲得できる

1.廃業を回避できる

後継者不足による廃業を検討していた場合、電気通信工事会社をM&Aによって第三者へ譲渡することで事業の存続を図ることが可能です。

経営状況が良好だったとしても、後継者がいなければ事業を継続し続けるのは困難といえるでしょう。

近年、M&Aによる第三者への承継は、事業承継の手段として徐々に認知されています。

国内でも廃業を回避する手段として推奨されている傾向があり、公的機関の設立や補助金等による支援が行われています。

2.従業員の雇用を維持できる

株式の引き渡しによって自社を売却した場合、企業はそのまま存続するため契約更新を行わずに雇用を維持することが可能です。

廃業によって自社を畳んでしまうと、従業員は新たな働き口を探さなければいけません。

長年付き添ってきた従業員の生活に影響を与えてしまうことは、経営者として回避したいと考えている方も少なくないでしょう。

また、株式の引き渡し以外による売却を行った際も、従業員と契約を更新することによって雇用の維持を行うこともできます。

3.経営基盤が安定した企業の傘下に加われる

価格競争が激化している電気通信工事業界では、業績が伸びずに悩んでいる経営者も少なくありません。

自社の営業力を高めたい場合は、大手企業に売却し傘下に加わるという方法があります。

資金力の高い大手企業に加わることができれば、安定した経営基盤のもとに事業を続けることもできるでしょう。

大手であれば多数の従業員を雇用している可能性も高いため、人材不足の解消を図ることもできます。

その他、自社の負債や保証も相手企業に引き継いでもらえる可能性があるので、経営不振に悩む経営者は大手への参入も一度検討してみましょう。

4.廃業費用の回避・売却益の獲得

自社を存続できずに廃業した場合、テナントや資材などの処分費用が発生します。

M&Aによって第三者へ承継した際には、自社は廃業せず存続するためそれらの費用は発生しません。

加えて、売却時には企業価値に対応した売却利益を獲得することもできます。

規模の大きい企業であれば、売却益を活用してアーリーリタイアも図れるでしょう。

他にも、新規事業の立ち上げや老後の生活資金への投資など、売却利益の使い道はさまざまです。

売却による資金の獲得は、経営者にとって大きなメリットといえるでしょう。

電気通信工事会社を買収するメリット

電気通信工事会社は、買収する側の企業もさまざまなメリットを獲得することができます。

売却を考えている側も、買収のメリットを把握して、自社の効率的なアピールを行いましょう。

ここからは、電気通信工事会社を買収するメリットを3つ紹介していきます。

【電気通信工事会社を買収するメリット】

  • 1.実務経験のある人材を確保できる
  • 2.新規事業を低コストで始められる
  • 3.シナジー発揮による利益拡大を図れる

1.実務経験のある人材を確保できる

近年、電気通信工事会社も含めて、人材不足に悩む企業の数が増加傾向にあります。

人材不足の解消を図りたい場合は、M&Aによって企業を買収することで人材を確保することが可能です。

実務経験がある従業員を大量に確保できれば、従業員の育成にかかる時間も大幅に短縮することができます。

自社の規模を効率的に拡大したい際には、M&Aによる企業買収は有効な手段といえるでしょう。

2.新規事業を低コストで始められる

電気通信工事会社を新規に始める場合は、建設業許可の取得を行う必要があります。

許可を取得するためには、管理責任者の要件を満たした人材などが必要になります。

人材も不足している電気通信工事業界において、建設業許可の要件を満たし、新たに参入することは容易ではありません。

しかし、M&Aによって電気通信工事会社を買収すれば、新規参入に必要な時間やコストを抑えることが可能です。

新規参入のためのM&Aは、業界を問わず多くの企業が実施しています。

3.シナジー発揮による利益拡大を図れる

同業種や異業種の企業が電気通信工事会社を買収することによって、シナジー発揮による業績の向上を図ることができます。

例として、自社が対応していない地域で活動している企業を買収すれば、対応できるエリアを増やすことが可能です。

関連業種の企業が買収をすれば、サービスの幅を広げることもできるでしょう。

M&Aでは、どのようなシナジーを発揮できるかを需要視されている傾向があります。

自社の売却を考えている際には、買い手企業の分析も行い効果的なアピール方法を考えることも大切です。

電気通信工事会社の売却を成功させるポイント

電気通信工事会社を売却したい場合は、どのような点を抑えればよいのでしょうか。

ここからは、電気通信工事会社の売却を成功させるポイントを5つ紹介します。

【電気通信工事会社の売却を成功させるポイント】

  • 1.資格を持つ人材などを多数確保する
  • 2.実績を増やす
  • 3.関連性の高い業種を営む企業に売却する
  • 4.財務状況を再確認する
  • 5.M&A仲介会社に相談する

1.資格を持つ人材などを多数確保する

電気通信工事業界には、人材不足を課題と考えている企業が多数存在しています。

高齢化が進む現在では、資格を持つ人材の希少性は高いといえるでしょう。

有資格者を多数保有している企業は買い手にとって魅力的であるため、高額で売却できる可能性も充分に高いと考えられます。

若手や有資格者の数を増やすことは、電気通信工事会社の売却を成功させるための有効な手段です。

2.実績を増やす

工事実績の数は、買い手企業にとって注目するポイントの1つです。

学校や美術館といったさまざまな建物の工事実績を有していれば、買い手企業へのアピールも充分に行えるでしょう。

高い技術力があることの証明になるため、自社を高値で売却できる可能性も高まります。

自社の売却を行う際には、工事実績を資料にまとめておくことも大切です。

3.関連性の高い業種を営む企業に売却する

電気通信工事業は、大枠では建設業に含まれており関連した業種が多数あります。

同じ建設業に携わる企業であれば、一貫したサービスの提供を行うこともできるでしょう。

自社が相手企業に加わることで業績の向上が期待できるならば、高値で売却できる可能性も高まるかもしれません。

自社の売却を成功させたい場合は、より関連性の高い企業への売却を検討してみましょう。

4.財務状況を再確認する

M&Aによって自社を売却する際には、あらかじめ自社の財務状況を確認しておくことも大切です。

買い手企業との交渉時に負債などが見つかった場合、取引自体が破談になる恐れがあります。

M&Aのために費やした時間やコストを無駄にしないよう、負債や簿外債務などが無いかを調べておきましょう。

また、自社が負債を抱えていた場合でも、買収を検討する理由になる強みがあれば、売却できる可能性も充分にあります。

5.M&A仲介会社に相談する

M&Aによって自社を売却する場合は、買い手探しや経営者との交渉などを行う必要があります。

税務や法務に関する専門的な知識も必要になるため、個人で売却を進めることは現実的ではありません。

M&Aによって自社を売却したい場合は、M&A仲介会社へサポートを依頼しましょう。

M&A仲介会社とは、M&Aの相談から成約までを一貫して支援している企業です。

M&Aを検討している数多くの企業と繋がりがあるため、買収を希望する企業を見つけることもできます。

また、ACコンサルティングでは、企業の売却を完全成果報酬型でサポートしています。

M&Aに関する相談にも無料で対応しているので、売却に関する不安がある方はお気軽にお問い合わせください。

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電気通信工事会社を売却する際の流れ

電気通信工事会社の売却は、以下の流れで進めていきます。

【電気通信工事会社を売却する際の流れ】

  • 1.M&A仲介会社にサポートを依頼する
  • 2.トップ面談
  • 3.基本合意契約書の締結
  • 4.デューデリジェンス
  • 5.再度交渉後に最終合意契約を締結
  • 6.クロージング

1.M&A仲介会社に買い手企業を紹介してもらう

まず最初に、仲介会社と契約を結びサポートを依頼しましょう。

契約後には、ノンネームシートと呼ばれる資料をもとに買い手企業を探してもらいます。

ノンネームシートとは、企業名が特定されない範囲の情報が記載された企業の概要書です。

M&Aを行う際には、情報の取り扱いに充分に注意する必要があります。

従業員に自社を売却することが伝わってしまった場合、売られてしまうという思いからモチベーションの低下を招く恐れがあります。

取引先に知られてしまうと、経営不振を疑われ提携自体が打ち切られることも考えられるでしょう。

そのような自体を回避するためにも、売却を行うことが外部に漏れないよう充分に注意する必要があります。

2.トップ面談

ノンネームシートの内容に買い手企業が興味を示した場合は、秘密保持契約を結び情報の開示をおこないます。

情報の開示後、両企業が話し合いを希望した際には、経営者同士の初顔合わせであるトップ面談へと進みます。

トップ面談では、相手企業の経営理念などに共感できるかを見極めましょう。

M&Aを進めていくのであれば、経営者同士で話し合う機会は複数あります。

経営者同士の考え方が大きく異なっていた場合、すれ違いが生じてしまい、結果的に交渉自体が消滅することも充分に考えられます。

M&Aをスムーズに進めていくためにも、トップ面談を行う際には信頼性を構築していくことが大切です。

3.基本合意契約書の締結

トップ面談後、両企業がM&Aを進めていく意思を持った場合は基本合意書の締結を行います。

基本合意書とは、M&Aを進めていく上でのスケジュールや、現時点での売却価格などが記載されている書類です。

基本合意書は、M&Aを行う意思を示すためのものという立ち位置であることから、一部の内容を除いて法的な拘束力がありません。

後述するデューデリジェンスの結果次第では、記載内容が変更になることもあるため注意が必要です。

4.デューデリジェンス

デューデリジェンスとは、買収リスクの有無を把握することを目的として、買い手企業が売り手企業に対して行う内部監査です。

訴訟リスクや簿外債務など、買収する上で買い手企業の不利益になる要素がないかをチェックします。

デューデリジェンスの実施には、企業のさまざま情報が必要になるため売り手企業の協力が必要不可欠です。

デューデリジェンスに対して売り手企業が協力的だった場合は、調査がスムーズに進む上、買い手企業からの信頼も高まるでしょう。

売り手企業側は、買い手企業の調査に対して可能な限り協力することが大切です。

【関連記事】デューデリジェンスとは?目的や種類、流れや費用などを解説

5.再度交渉後に最終合意契約を締結

デューデリジェンスが完了したあとは、再度経営者同士で交渉を行います。

内部監査によって買収リスクとなる要素が見つからなかった場合は、基本合意契約書の内容に基づいて最終的な条件を擦り合わせていきましょう。

万が一、デューデリジェンスによって買収リスクとなる要素が見つかった際には、売却価格などを調整して再度交渉を行います。

また、買収リスクが小規模なものであるならば、後述するクロージングが完了するまでに解消するといった対策もあります。

条件がまとまりM&Aを行うことが決定したあとは、最終合意契約の締結をしましょう。

最終合意契約書の内容は、基本合意契約書と異なり法的な拘束力があります。

6.クロージング

最終合意契約書を締結したあとは、クロージングのための作業を進めていきます。

クロージングとは、経営統合を行うための全般的な手続きのことです。

株式の引き渡しや、対価の受け取りに必要な準備などを進めていましょう。

また、クロージングを行う際には、実施する要件を定めて期日までに完了するように進めていくことが一般的です。

クロージング日に、すべての手続きを済ませることができればM&Aは完了です。

電気通信工事会社の売却相場は?

電気通信工事会社を売却する場合は、平均的にいくらぐらいの価格で売ることができるのでしょうか。

結論から述べると、電気通信工事会社に限らず、企業の売却価格の相場は一概に決めることができません。

企業の売却価格は、事業の規模や営業利益などによって決定されます。

それらは企業によって大きく異なるため、業界全体の売却相場を決定することは非常に困難といえるでしょう。

しかし、自社の売却価格の目安を知りたい場合は、年買法という計算式を用いることで把握することができます。

年買法とは、自社の時価純資産に2~5年分の営業利益を足すことで求められる、企業価値の評価方法です。

年買法は企業価値の評価方法の中でも計算が容易であることから、中小企業のM&Aにおいて頻繁に使用されている傾向があります。

また、企業価値を評価する際には、年買法以外にも「簡易買収倍率」や「株式市価法」といった簡易的な計算方法が存在しています。

簡易的な計算方法を詳しく知りたい方は、下記の記事もご参照ください。

【関連記事】企業価値の簡易計算方法!価値の上げ方・向上させるメリットも紹介

電気通信工事会社の売却・買収事例

電気通信工事業界では、さまざまなM&Aの事例が存在します。

M&Aによる売却の知識を深めるためにも、どのような事例があったのかを把握しておきましょう。

【電気通信工事会社の売却・買収事例】

  • 1.JESCOホールディングスによる阿久澤電機の子会社化
  • 2.アウトソーシングによるアイテックの孫会社化
  • 3.ミライトによるトーエイ電気通信の子会社化
  • 4.協和エクシオによる電気通信工事会社3社との経営統合
  • 5.エア・ウォーターによる丸電三浦電機の子会社化

1.JESCOホールディングスによる阿久澤電機の子会社化

2022年9月、国内・アジア地域でのEPC事業やメディア事業などをグループ展開しているJESCOホールディングスは、阿久澤電機の株式を100%取得し完全子会社化することを発表しました。

阿久澤電機は、群馬県に本社を持つ電気・電気通信工事会社であり、100年以上の歴史を有しています。

JESCOホールディングスは阿久澤電機の子会社化によって、群馬県全体での営業展開及び、資格保有者との人材交流によるシナジーの発揮を図りました。

2.アウトソーシングによるアイテックの孫会社化

2021年1月、人材派遣会社であるアウトソーシングは、傘下企業であるアウトソーシングテクノロジーを通じてアイテックを孫会社化することを発表しました。

アウトソーシングテクノロジーは、エンジニアの人材派遣を展開している企業です。

一方、アイテックは電気通信工事や建柱工事を軸として事業を展開している企業であり、顧客からの高い信頼性を有しています。

アウトソーシングは、アイテックの拡充した顧客基盤とアウトソーシングテクノロジーの持つ教育基盤を組み合わせる事によって、グループ全体での事業成長を図りました。

3.ミライトによるトーエイ電気通信の子会社化

2019年3月、ミライト・ホールディングスは、完全子会社であるミライトがトーエイ電気通信を株式交換によって子会社化することを発表しました。

ミライトとトーエイ電気通信は、どちらも電気通信に関わる事業を展開している企業です。

ミライト・ホールディングスはトーエイ電気通信を子会社化する事によって、グループでの競争力や収益性の向上を図りました。

4.協和エクシオによる電気通信工事会社3社との経営統合

2018年5月、東京都渋谷区に本社を持つ協和エクシオは、電気通信工事を営む企業3社と経営統合することを発表しました。

統合を行った企業は、シーキューブ・西部電気工業・日本電通の3社です。

協和エクシオは3社との経営統合によって、事業領域の拡大や5G時代における顧客ニーズへの対応を図りました。

5.エア・ウォーターによる丸電三浦電機の子会社化

2018年7月、北海道で産業ガス事業や電気設備事業などを展開しているエア・ウォーターは、丸電三浦電機の株式を取得し子会社化することを発表しました。

丸電三浦電機は、札幌を中心に情報通信工事・電気通信に関するメンテナンス事業などを行っている企業です。

該当企業の子会社化によって、エア・ウォーターは広範囲での事業展開を図りました。

まとめ

電気通信工事業界は、オリンピックの影響によって市場規模が拡大しました。

今後も5Gの普及などによって、市場規模はさらなる拡大を進めていくことでしょう。

しかし、業界内での価格競争は激化しており、電気通信工事会社は他社との差別化が今後の課題になっていくことが予測できます。

M&Aによる企業買収は収益拡大の方法として有効であるため、売却ニーズは高まっていくと考えられます。

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